保管ハウツー

着物保管・収納方法 3つのコツ

着物を長く大切に着る上で、大切になるのが「保管・収納」です。せっかくの着物も、収納方法を間違えてしまうとカビや変色・虫食いといったダメージを受けてしまいます。でも正しい知識さえあれば、着物の保管は意外と簡単です。

吉原ひとし
吉原ひとし
こんにちは。創業明治三九年 四代目 ふじぜん 吉原ひとしと申します。着物を専門に取り扱うクリーニング店の店主をさせていただいております。ここでは着物の正しい収納法のコツをご紹介していきます。

カビ・変色を防ぐ「湿気対策」

除湿剤は必須アイテムです

タンスの引き出しに「新聞紙」が敷いてあるのを見たことがありますか?新聞紙は水分を吸い、またインクの匂いを虫が嫌うため、防湿・消臭・虫食い対策として昔から使われてきました。年に3回ほどの虫干しに加えて新聞紙を敷き、湿気には注意していたわけですね。そのため現在でも「新聞紙と防虫剤を入れれば大丈夫」と仰る人が少なくありません。

しかしこれは、風通しの良い昔の日本家屋向けの保管法です。密封性が高く湿気が篭もる今の住宅事情では、更に湿気対策をすることが必要になります。湿気対策として、「除湿剤」は必須のアイテムです。

「着物専用」の除湿剤を使用すれば、さらに安心ですね。着物専用除湿剤は、呉服店や着物のお手入れ専門店で販売しています。防虫剤と一緒に除湿剤を入れ、定期的に交換することも大切です。

タトウ紙を交換しましょう

たとう紙(文庫紙

湿気を防ぐには、着物を包む「タトウ紙(文庫紙)」の交換も必要になります。タトウ紙には一枚100円程度から2,000円程度のものまであり、その品質も様々です。高価なたとう紙は上質な和紙でできており、吸湿性に優れています。

ただし「高級なら、交換しなくても変色しない」ということではありません。タトウ紙の品質に関わらず、2~3年に一度の交換をお勧め致します。

【タトウ紙の購入方法】

・呉服店
呉服店での「タトウ紙のみ」の販売対応は、店舗によって異なります。店名入りタトウ紙のみを扱う店舗では「他店購入の着物を、当店の店名入りタトウ紙に入れられては困る」と、販売を行わないこともあるようです。店名の入らないタトウ紙の取り扱いがあるか、事前に確認した方が良いでしょう。

・インターネット販売
ネット販売では「10枚単位」等、タトウ紙の販売単位が大きくなりがちです。除湿効果を維持するためにも、交換に必要な枚数を予め確認し、最小限の購入をお薦め致します。

なお、当店では200円(税別)のタトウ紙を一枚から販売しております。

虫食いを防ぐ「防虫対策」

着物を傷めない防虫剤選び

防虫剤には以下の様な種類があります。

  • パラジクロロベンゼン
  • ナフタリン
  • 樟脳(しょうのう)
  • エンペントリン(ピレスロイド系)

防虫剤の種類によっては、着物の金彩などの施し(箔)の変色が起こる可能性もあるので注意が必要です。

また防虫効果があっても、防虫剤の臭いがつくのは気になりますね。防虫剤には無臭かつ箔も傷めない「エンペントリン(ピレスロイド系)」の使用をお勧めいたします。使用量を守り、定期的に交換をしましょう。

ご自宅に合わせた保管場所・保管方法

和タンスは設置場所に注意

呉服は「和箪笥(和ダンス)」で収納するのが基本です。
しかし、タンスの置き場所によっては、せっかくの防湿対策も意味がなくなってしまいます。

台所や浴室に近い場所は、湿気が溜まりやすいので避けましょう。換気のしやすい部屋を選び、直射日光の当たらない場所に設置すれば大丈夫です。また壁に箪笥をピッタリと付けず程よく距離をおいて設置すると、通気がより良くなります。次回の虫干しの際に、箪笥を移動させてみてはいかがでしょうか?

和タンスが無い場合には保存袋を

「高級なタンスが無いし、押し入れやクローゼットに保管したい」という人もいらっしゃるでしょう。タンス以外で保管をする人向けに、最近ではカビや虫から着物を守るシート(保存袋)の開発も進められています。特にお勧めなのが「キモノの休息」です。抗菌・防虫・調湿などの効果があり、一袋に3枚入ります。着物・長襦袢・帯とセットで入れておけば、着る時にも迷わず安心です。

保存袋の中に入れる乾燥剤も、陰干しすれば何度も繰り返し使えます。着物の保管にかかる費用を抑えられることも嬉しいですよね。「キモノの休息」に入れて上から風呂敷をかけておけば、押入れでも安心した保管が可能です。ただし、和箪笥のように積み上げての収納はできませんのでご注意ください。

~着物ケア診断士から一言~

衣類を大切に着る時代から、現在では洋服等は使い捨てをする時代になりました。日本の本来の気候には関係なく、住宅環境も様変わりをしています。また忙しい現代では、着物に対する意識が薄れてしまうのも仕方が無いことかもしれません。

しかし、着物は長年使用できるからこそ、高価なものなのです。しっかりとした保管ができれば、いつまでも着ることができます。使い捨て感覚ではなく長く大切に着ていくために、正しい収納法を守っていきましょう。

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


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