七五三・ハウツー

七五三着物、買う?レンタルする?昔の着物を使う?それぞれのメリット・デメリット

3歳・5歳・7歳の「節目」を祝う行事である七五三。お子様の成長を祝う大切なイベントは、親御さんにとっても喜ばしいものですね。でも七五三の着物の準備について「買おうか、借りようか…」と悩まれている方も多いようです。

吉原ひとし
吉原ひとし
こんにちは。創業明治三九年 四代目 ふじぜん 吉原ひとしと申します。着物を専門に取り扱うクリーニング店の店主をさせていただいております。ここでは着物をレンタルする場合、購入する場合、また近年人気の「お父様・お母様が昔使われていた昔の着物」を活用される場合、それぞれのメリット・デメリットについて解説をしていきます。ご家庭にピッタリの着物準備方法はどれか、参考にしてみてください。

七五三着物をレンタルする場合

近年では七五三着物の「新たな主流」ともなりつつある「レンタル着物」。着物専門等のレンタルショップで借りられる他、写真館・フォトスタジオ等での撮影とセットになったスタイル、インターネット型のレンタル等、様々なレンタル方法が登場しています。

七五三着物レンタルのメリット

着た後のお手入れは必要無し

お着物を着た際に欠かせないのが、着た後の「お手入れ」。着物を陰干ししたり、汗ジミや食べこぼしハネ等が無いかをチェックしたり…「我が家の着物」として購入をした場合、このようなお手入れをサボってしまうと着物にカビや変色といったトラブルが起こってしまいます。

でもレンタルの場合であれば、着用後に特別なお手入れをする必要はありません。「着物の扱いに慣れない」という方、「後片付け等の手間をなるべく減らしたい」という方には大きなメリットと言えるでしょう。

早めの予約なら選択肢も広め

レンタルの需要が上がるに連れて、レンタル着物を扱う店舗やその在庫数も伸びています。また七五三レンタルの予約受け付けも早期からできるようになりました。七五三を行う日取りが早めに決まっておられるご家族で、早期の予約ができるのであれば、様々な着物の中から「お気に入りの一点」を見つけ出すこともできます。

購入に比べて価格が安い

七五三着物のレンタル料金は、お着物の質・セット内容・コース内容等によっても大きく異なります。しかしフルセット購入をするのに比べれば、七五三レンタル着物の平均相場は比較的お安めです。また多くのレンタル着物店舗では、レンタル料金の中にクリーニング料金・保証金等を含ませているのもポイント。酷く汚してしまった、大幅に破いてしまったというようなトラブルが無い限り、更にクリーニング料金・修理費が発生するといった心配もありません。

七五三着物レンタルのデメリット

お着物を着て行ける場が限られることも

写真館・フォトスタジオ等でのレンタルコースの場合、お着物を着られるのはスタジオ撮影時+公園等の撮影ポイントのみといった「縛り」があることも。お着物を着たままで神社にお参りに行けなかったり、その後のご家族・親戚等との集まり(お食事会)等に着物のままで参加できない場合もあります。

基本的に料金が安いレンタルコース程、「スタジオでの写真撮影時のみ」等、着用できる時間や場所が限定されやすい傾向です。晴れ着でお参りにも行かせたい場合には、レンタルの内容をよく確認しておくようにしましょう。

気に入った着物が見つからない可能性も

七五三は元々11月15日に行う行事でしたが、近年では10月中旬頃~11月上旬頃のお日柄の良い日に七五三を行うご家庭も増えています。とは言え「10月第二週~11月第二週頃」という1ヶ月にレンタルの予約が一気に集中するのには変わりがありません。

昔に比べれば選択肢に広がりが出ているレンタル着物ですが、購入に比べれば取扱数が限定されるわけですから、「これ!」と思える着物がなかなか見つからない…という可能性も考えられます。また近年では、レンタル着物で「他の子と色・柄が被ってしまった」というケースも増えているようです。子供に着せるお着物にこだわりたい方、オンリーワンを着せてあげたい方にはレンタルは不向きと言えるかもしれません。

当日に行けないとキャンセルが必要

最も大きなデメリットとしては「予約日が都合でダメになった場合」の手間と費用の発生が挙げられます。小さなお子様の場合、七五三の当日に体調が悪くなってしまう…というケースは意外と多いです。また荒天で神社へのお参りが難しいということもあるでしょう。このような場合、レンタル着物ですと申込をキャンセルし、また新たに申込をしなくてはなりません。

キャンセル料の発生については店舗によって扱いが異なりますが、当日のキャンセルでは100%のキャンセル料が発生する店舗も珍しくないようです。また翌週に日延べ等をした場合、予約が既にいっぱいでレンタルができなくなる可能性も考えられます。

七五三着物を購入する場合

かつては着物の購入と言うと「呉服店」一択でしたが、近年ではインターネット販売も人気が出ています。

七五三着物を購入するメリット

お気に入りの着物で満足感が高い

着物をレンタルするのに比較すれば、購入される場合の選択肢は非常に広くなります。色・柄・織りといった様々な部分を検討して、親御さんもお子さんも満足される「満足な一点」を見つけ出せるのが大きなメリットです。七五三の姿は写真に納められ、大人になっても残されるもの。気に入った着物で存分にオシャレさせてあげたいという方は、お着物の購入を考えた方が良いかもしれません。

サイズに合った着物で着姿が美しい

呉服店で購入をされる場合、お子さんの体の大きさにキチンと合った着物を選べるという点もポイントです。小さなお子さんの場合でも、サイズがピッタリと合った着物は着姿が美しいもの。借り物では得られない「ワンランク上のキレイさ・格好良さ」を求めたい方には購入の方が向いています。

混み合う日や日程変更でも安心

レンタル着物の場合、11月15日周辺や日取りの良い週末等は着物予約が集中してしまい、「着物のために日程をずらさなくてはならない」といったケースも見られています。しかし購入をされる場合には、このような心配をする必要がありません。またお子様の体調・荒天等による七五三の日程変更等にも柔軟に対応できます。

七五三着物を購入するデメリット

自分でお手入れをする必要がある

着物を大切に保存していくためには、着た時の汗や水分を飛ばし、汚れ等が着いたらその処理をする必要もあります。着た時のままで畳んでしまっておしまい…にしてしまったら、変色が起きたり、大切なお着物にカビが生えてしまうこともあるのです。洋服類とは異なる「お着物のお手入れ」の知識を付けておく必要があることは考慮しておきましょう。

費用が高額となることもある

近年の七五三着物では草履バッグ・小物類等もセットにした「フルセット購入」等での割引率が良くなっており、ものによってはレンタルよりも安価に購入をできることもあります。しかし素材や刺繍等にこだわった品物になれば、費用も高額となりがちです。

保管場所が必要

着物類はタトウ紙等に包み、防虫剤・乾燥剤等を入れて平らに保管をしておく必要があります。保管場所としては和ダンス類が理想的ですが、無い場合には専用の保存袋・保存箱を用意し、できるだけ風通しの良い場所に保存をしておくことが大切です。また虫害を防ぐためには定期的に虫干し(陰干し)をするといったケアも欠かせません。保管場所・保管中のケアが適切でないと、せっかく取っておいてお着物がカビや虫食い等で台無しになってしまうこともあります。

昔の着物を使う場合

最近注目されているのが、お父様やお母様が子供の頃に使われていた着物を七五三着物として活用される方法です。

昔の着物のメリット

お着物選びに悩む必要が無い

「昔の着物を使おう」と決めてしまえば、購入やレンタルのように着物選びに頭を悩ませる必要がありません。また流行柄に集中しやすいレンタル等と違い、昔の着物であれば他のご家庭のお子さんと着物の色柄が被るといった心配も無しです。

状態が良ければ費用はゼロ

保管がきちんとされていたお着物で、シミや汚れといった問題がなければ、お着物にかかる費用負担はゼロ円ということなります。「七五三の費用をできるだけ抑えたい」「お着物にかかる費用分を、食事会等のお祝いに回したい」という方には助かるポイントですね。

思い出深いお着物が復活する

お母様が昔着用されたお着物を娘さんが袖を通される…このような「受け継ぐ喜び」は長期保存ができる着物ならではの文化と言えます。かつて着用されたお母様ご本人だけでなく、お母様のお着物を用意されたお祖父様やお祖母様にとっても「嬉しい思い出」の復活となることでしょう。

昔の着物のデメリット

シミ・汚れがある場合には対処に時間がかかる

昔の着物にシミや変色、汚れ、虫食いといったトラブルが見られる場合、ご自宅で対処をするのはこんなんです。着物のお直しの専門店・和装クリーニング店等に依頼をし、しみ抜きや染め直しといった対処をする必要が出てきます。

着物のトラブルに対処する専門店や職人は数が少ないため、例えばワイシャツのしみ抜きといった洋服クリーニングに比べると、処理完了となるまでに時間がかかってしまうことも考えられるでしょう。ご自宅にあるお着物を七五三に使用される場合には、早めにお着物を出して状態を確認しておくことが大切です。

小物類が無い場合には別途準備をする必要がある

七五三着物では、例えば7才女の子の場合、筥迫(はこせこ)や草履・バッグ、かんざし等の髪飾りといった小物類の準備も必要です。一式揃って保管されている場合であれば問題ありませんが、「お着物のみ」がある場合には小物類を別途お探しになり、購入をする手間と費用が発生します。

肩上げ・腰上げをする必要がある

七五三着物では、着るお子様の体格に合わせて「肩上げ」「腰上げ」というサイズ調整(縫い上げ)を行います。また縫い上げには「着物を着た子供が今後も成長する」という願いも込められているため、例え数ミリといったサイズ違いでも「縫い上げ」をしておくことが必須とも言われているのです。

肩上げや腰上げの方法は比較的簡単ですので、和裁・洋裁の経験がある方でしたらご自分で縫い上げを行うことができるでしょう。当店舗でも肩上げ・腰上げ方法」についてご紹介しておりますので、ご参照ください。なお「縫い物が苦手」「失敗しそうで不安」という方は当店でも縫い上げのお直しを承っております。

おわりに

七五三着物をレンタルする場合、購入する場合、昔の着物を使う場合…それぞれのメリット・デメリットは大きく異なりますが、いずれにしても共通しているのは「早めの準備が大切!」という点です。七五三の直前になってしまうと、選択肢がどんどん限られてしまいます。「まだ先だから」と思わずに、お早めに七五三の準備を考えておきましょう。

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


着物の染み抜きやお直しをする場合、加工内容や料金は検討がつかないと思います。お近くに専門店があれば安心ですがシミや汚れを見てもらったが、無理だと言われ諦めてしまう方が多いのです。遠方にお住まいの方はお電話又はメールでご相談いただければ、無料にてアドバイスさせていただきます。クリーニングやお直し以外でも着物の事ならお気軽にご連絡ください。 初めてご訪問の方へ

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