お手入れ

ポリエステル着物の静電気にサヨナラ!6つの対策法を解説

ポリエステル着物は雨の日のおでかけや気軽な街着として大活躍してくれる頼れる存在。着物好きな人も初心者の人も、一枚はポリ着物をお持ちなのでは?でもポリエステル着物って静電気が凄いのが困りますよね。パチパチパチ…とポリエステル着物の布が足にまとわりついて歩けない!そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

ポリエステル着物の静電気は、いくつかの対策を行うと大幅に抑えることができます。

吉原ひとし
吉原ひとし
こんにちは。創業明治三九年 四代目 ふじぜん 吉原ひとしと申します。着物を専門に取り扱うクリーニング店の店主をさせていただいております。ここでは今日から始められるポリエステル着物の静電気予防対策をご紹介していきますね。

長襦袢の素材で静電気対策

ポリエステル着物の静電気対策でまず最初に見直してほしいのが「長襦袢の素材」です。長襦袢と着物は一番近くにあって擦れ合う同士なので、この素材の組み合わせが悪いと静電気地獄になってしまいます。ポリエステル着物を着ると確実に静電気…という人は、一緒に着ている長襦袢の素材をチェックしましょう。

絹・シルク混の長襦袢はNG

ポリエステル着物の中に正絹?と思う方も居るかもしれませんが、最近多いのが「ポリエステル着物の中が正絹(シルク)長襦袢)」というパターン。長襦袢をアンティークショップやメルカリ等で安く購入される若い人が増えて、こんな組み合わせによる静電気トラブルが増えています。

さて、この組み合わせは静電気的に良くありません。ポリエステル着物は「マイナスの電気」を帯びやすいのですが、絹は「プラスの電気」を比較的帯びやすい素材です。そのため両者が擦れ合うと静電気が起きて、パチパチ…ということになってしまいます。

ポリエステル100%かアセテート入りを

ポリエステル着物を着るときは、ポリエステル100%の長襦袢を選ぶのが一番安全です。化繊混紡を選ぶ場合には、他にアセテート混入でもOK。後で詳しく解説しますがナイロン入は避けてください。

肌着・レギンスの素材で静電気対策

最近は着物の下に洋服向けの肌着やインナーウェアを着たり、寒さ対策でレギンスを履く人も増えましたね。このような肌着・インナーウェアの素材でも、ポリエステル着物との相性が悪いと静電気が起きやすいです。

ナイロンは絶対NG!

ポリエステル着物の静電気対策をする上で、まず「ナイロン入り」のインナーウェアはすべてやめましょう。

特に多いのはヒートテック等を始めとする、ナイロン入りの防寒インナーウェアや汗対策の肌着。またナイロンが入ったレギンス類も絶対NGです。

ナイロンは「プラスの電気」を激しく帯びるという性質を持っています。そのためマイナスの電気を帯びやすいポリエステルとの相性は最悪です!5%程度でもナイロンが入っているだけで、バチバチバチ…と静電気が激しく起きることもあります。

化繊ならポリエステルかアセテート

化学繊維のインナーをポリエステル着物の中に着るのなら、同素材であるポリエステルか、比較的帯びる電気が近いアセテートがおすすめ。化学繊維は混紡であることが多いので、配合率等もしっかりチェックしておきましょう。

綿や麻も△程度にOK

直接身につける和装ブラやインナーになると、ポリエステル繊維は肌に擦れて辛い…という方も多いかもしれません。そんな時には、内側には麻・綿のインナーを身につけるのはギリギリOKです。麻・綿は比較的帯電しにくいので、他の静電気対策もあわせて行えば、かなり静電気を抑えることができます。

コートやショールで静電気対策

ポリエステル着物で冬に街を歩く時には、コートやポンチョ、ショール等で防寒をする人が多いはず。このような防寒着類でもポリエステル着物との相性を考えておきたいところです。

ウールの防寒着はNG

実はナイロンと同じくらいにポリエステルとの相性が悪い素材が「ウール(羊毛)」だって知っていましたか?ウールはプラスの電気を強く帯びやすいので、ポリエステルと組み合わせると強い静電気が起きやすいです。

ウールのショールやコートはできれば避けることをおすすめします。ちなみにカシミヤでもプラスに帯電するのは同じ。さらさらとなめらかで優しいカシミヤですが、ポリ着物の日にはお休みさせましょう。

気楽なアクリルを主体に

ポリエステル着物に合わせる防寒着は、同じ素材のポリエステルやアクリル素材がおすすめ。アクリルニット等で作られた防寒着・防寒グッズはお値段も手頃なので、気軽な街着として利用しやすいのも魅力です。

柔軟剤でポリエステル着物の静電気対策

着用時のコーディネート以外に、ポリエステル着物の静電気を普段のお手入れでも軽減するようにしてみましょう。まずは「柔軟剤」を使う方法です。

界面活性剤が静電気を防ぐ

一般的な柔軟剤にはカチオン系の界面活性剤(陽イオン系界面活性剤)が含まれています。この界面活性剤は繊維への吸着力に優れるので、少量の仕様でも繊維表面を優しくコート。摩擦を減らして静電気を起こしにくくしてくれます。また界面活性剤は空気中の水分子と結びついて電気を流す働きもしてくれるので、静電気をさらにしっかり抑えてくれるのです。

洗濯の仕上げに柔軟剤をプラス

ポリエステル着物ですと、ご自宅で洗濯をするという人が多いはず。お洗濯後の最後のすすぎに、柔軟剤をプラスしてみましょう。柔軟剤の商品指定はありませんが、「静電気を防ぐ」をキャッチコピーにしている製品を選べば安心です。

【柔軟剤の使い方】

  1. 通常どおりに洗濯(手洗い)を行う
  2. 最後のすすぎの時に洗面器に適量の柔軟剤を入れてよく溶かす
  3. ポリエステル着物を入れて全体を漬ける
  4. 軽くすすいで仕上げる

なお「静電気を防ぎたいから」と柔軟剤の量を増やしすぎるのはNG!

柔軟剤のコート量が多すぎて香料が繊維に多量に残ったりすると、後から変色等の原因になってしまうこともあります。きちんと製品説明書に書いてる「適量」を守りましょうね。

※着物の種類や装飾によっては、ポリエステル素材でもご自宅での洗濯ができない場合があります。ご家庭での水洗いができない着物については、柔軟剤による静電気対策はできません。

静電気防止スプレーで静電気対策


クリーニング屋さんの静電気&花粉ガードスプレー 62着分

ポリエステル着物の静電気対策では欠かせない「静電気防止スプレー」。でも正しい使い方をしっかり守らないと、静電気防止効果があまり出ないことがあります。

裏面を主体に全体にスプレー

ポリエステル着物が静電気を発するのは、着物の繊維同士や長襦袢と擦れるため。ですからまずは着物の裏面全体に静電気防止スプレーをしっかりかけるようにしましょう。またポリエステル着物で静電気を帯びやすいポイントには、表面にもスプレーしておきます。

【摩擦が起こりやすい場所】

  • もも~ひざ前(あわせの部分)
  • ひざ裏
  • ソデと両脇がこすれる部分

※着物によっては静電気防止スプレーによる変色・変質が起きる場合があります。スプレー使用時には、まず目立たない場所でテストを行うようにしましょう。

軽く濡れるまでしっかりスプレー

静電気防止スプレーは、着物の繊維が軽く濡れる程度にまでスプレーすることが大切。着物だとスプレー範囲が広いので、消費量が多くなりやすいです。大容量タイプ等を用意しておくことをおすすめします。

携帯用も持ち歩くと安心

特にたくさん歩く人や帯電しやすい体質の人だと、お出かけ前のスプレーだけでは静電気対策が間に合わないことがあります。お出かけ先でもトイレ等で着物にスプレーができるように、携帯用の静電気対策スプレーも持ち歩くと安心です。

草履の底で静電気対策

ポリエステル着物の静電気予防の仕上げに、足元を見直してみましょう。

ラテックス・ゴム底はNG

ラテックスやゴム底の草履はできるだけ避けた方が無難。起こった静電気を地面に流せないので、体に電気が溜まったままになり、いつまでも静電気が起き続けてしまいます。

ブーツの組み合わせに要注意

草履の場合、お出かけ先で一度どこかで草履を脱いで床等に電気を流す…ということもできますが、ブーツ等だとそれもしにくいですよね。最近ではポリ着物にブーツ等の洋風の靴を合わせるコーディネートも人気ですが、静電気的にはやや厳しい組み合わせかもしれません。どうしても組み合わせたい場合には、電気を地面に流しやすい本皮レザー+レザー底のものをおすすめします。

おわりに

ポリエステル着物の静電気対策、お役に立ちそうですか?「ポリ着物だけど家で洗えないから、柔軟剤での静電気対策ができない」「静電気スプレーやインナー対策だけではまだ静電気が起きる!」という場合には、着物クリーニング店に相談してみるのも手。静電気の起きにくいコート剤等をかけてもらえることもありますよ。

当店『着物ふじぜん』でも着物の静電気のお悩みについてご相談を受け付けています。お困りの時には、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


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