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着物の虫干し方法 最適な時期と時間

着物の虫干し方法

こんにちは。着物ケア診断士の吉原です。

私は呉服業界に30年ほど携わっておりますが、時代と共にお嫁入りの道具からファッションにと着物に対する考え方が変わってきているようです。近年、着る機会が少なくなったとは言え、出産・入園・入学・卒園・卒業・結婚・成人式など人生の節目には必ずと言っていいほど着物を着るものですので流行で終わることはありません。皆さんが準備されている着物は「虫干し」をしたことがありますか?

40代~50代の女性に聞くと「お嫁入りの時に持ってきたわ!」言われます。その20年ほど前に準備された着物は“タンスに入っているからと安心”と言って開かずの扉になっていることが多く危険です。保管されている桐のタンスは優れていますが、お手入れをしていないと必ずトラブルは起こってしまうものなのです。

箪笥の中には高級車一台分の着物を準備されている方も多く、着る予定があってもなくても思いで深い着物を大切に保管して、これからの着る機会に備えていただければと思います。正しい知識で日頃のお手入れをすることができれば今からでも遅くはありません。全ての着物は次の世代まで受け継ぐことができるのです。

お手入れせずに長期保管すると起こりやすい問題は?

着物お手入れ 汚れ染みカビ・色褪せ・変色などのトラブルです。その中でもカビの発生でお困りの方が多く、全国からご相談いただきます。

近年の住宅事情では密閉性の強く、生活するには快適なのですが着物にとっては大変、居心地の悪い環境なのです。

カビは室温20~30℃ので、湿度が60~85%の状態が発生しやすく、その環境を放置すれば変色・色褪せへと悪くなる一方なのです。

カビは人体にも影響を及ぼしかねませんので、日々のお手入れが必要なのです。

着物黒カビ
着物色ヤケ
着物変色

 

いちばん効果的なお手入れ方法は?

それは「虫干し」です。
虫干しは着物を湿気から守る大切な作業となりますが、着用時に気づかなかった汚れや傷みの点検にもなり、ご家庭でできる最適なお手入れなのです。しかし着物を干してしまうと後片付け(畳む)が最大の難所。昔に畳んだことはあるが何十年もの間、着物から遠ざかっていると忘れてしまうものです。畳み方をネットで検索しながら畳んで収納することはできますが、虫干しを代行できる専門店もありますので仕事の忙しい方には便利なサービスです。

 

虫干しの時期はいつが最適なのでしょう?

  • 梅雨の開けた7月末から8月。
  • 秋晴れの10月頃。
  • 一番寒い2月頃が最適だと言われています。

着物が生活の一部だった時代は年に三回ほど虫干しをしていました。

着物を干す時間も大切です。

時期も大切ですが時間も気にしなくてはなりません。
湿気の多くなる朝と夕方は避け10時ごろから15時ぐらいまでが最適です。

 

虫干しの方法は?

時期と時間がわかれば始めてみましょう。必ず前日の晴れを確認して天気のいい日に干すことが大事です。朝に雨が上がったので晴れれば大丈夫だと思いがちですが、湿気はかなり残っていますので2,3日晴れの日続いていれば良いのです。

一度にすべてを干そうと思えば大変な事ですが、引き出し一段ずつ干していきます。衣装敷の上で着物をタトウ紙から出して干すのですが、ハンガーは着物専用でなくても長時間でなければ構いません。干した時の直射日光は色やけ防止のために必ず避けてください。

そしてブラッシングをするのですが、専用ブラシをお持ちの方は少ないと思いますので、ハンカチで軽く叩く程度でチリや埃を取り除き汚れなどをチェックします。できれば作業後に着物を裏返し干せれば最高なお手入れです。

干してから2,3時間後、衣装敷の上で畳み、タトウ紙に入れ完了となりますが、タトウ紙の点検も忘れずに行ってください。茶色く変色した部分があれば交換のサインなのです。たとう紙はチリや埃だけでなく湿気から守ってくれていますので大切です。

マンションなど新しい住宅で干す場合。

最近の住宅は独立している部屋が多く着物を干す場所がありません。着物も身長ぐらいの長さ(身丈)がありますので高所にハンガーをかけないと着物の裾が床について汚れてしまい厄介なのです。一度に何枚もの着物を干すことは不可能ですのでタンスの引き出しをひな壇のように開けて年に4,5回はチャレンジしてください。引き出しの底に入っている着物は上の着物と入れ替えたりしながら空気の入れ替えをして下さい。

和風建築の住宅で干す場合。

襖の梁に着物を数枚干すことができます。
着物ハンガーを沢山持っていない方は洋服のハンガーでも数時間であれば大丈夫なのです。必ず直射日光は避けて干せれば短い時間で虫干しは完了です。

着物ケア診断士からの一言

虫干しするのは面倒皆さんから「着物は面倒!」といった声をよく耳にします。数年、数十年と着物から疎遠になれば知識も薄れ遠ざかってしまうは仕方ありません。

昔、お嫁入り道具としてお持ちになられた着物は娘に恥をかかさないようにとの思いでご両親が準備されたものなのです。

着る事が少なくなった時代となり仕方のないことなのですが質も良く柄もいい着物ばかりです。買い替えるなんて、さすがにもったいなくてできません。

お嬢様がいるご家庭はこれからトラブルにならないように、しっかりとケアしていただければ必要な着物だけでも譲る事は可能なのです。

着る機会があれば、それ以上の事はないのですがトラブルでお困りの場合には、わかり易くアドバイスさせていただきます。一人でも多くの方に着物を大切にしていただきたい!それが着物ケア診断士全員の願いなのです。

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