ブログ

袋帯・名古屋帯・半巾帯…意外と知らない帯の種類と着物の合わせ方

着物 帯

きものブームの到来によって、結婚式や入学式といったフォーマルな場にはもちろん、普段のお洒落にも着物を着る女性が増えた昨今。「そろそろ着物に挑戦してみようかな…」と思っている方もいるのではないでしょうか?でも着物にチャレンジする時、「どの帯を合わせたいいの?」「この帯をこの着物に合わせて大丈夫?」と迷ってしまう方も多い様子。

帯には袋帯や名古屋帯・半巾帯等の様々な種類があり、着ていくシーンや合わせる着物にもある程度の法則があります。今回は代表的な帯である「袋帯」「名古屋帯」「八寸帯」「半巾帯」について、見分けるための特徴や合わせる着物等をご紹介していきましょう。

 

袋帯とは?特徴と合わせる着物

袋帯(ふくろおび)とは、名前のとおり袋のように縫い合わせてある帯のこと。かつて礼装用の帯というと「丸帯」が主流でしたが、丸帯は重くて締めにくいため、身につけるのがちょっと大変な上に非常に高価。そのため礼装の丸帯の代用として、明治後期に登場し大人気となりました。

特徴1. 表地・裏地が分かれている

袋帯について、辞書等では現在でも「袋織りで織った帯」と説明しているものもあります。確かにこれは間違いでは無く、以前は袋織という特殊な織りによって「袋帯」を作っていました。しかし現在では袋織によって袋帯を作ることは少なく、表地・裏地を縫い合わせて輪のようにした形状が主流となっています。表地・裏地が違い、並幅(幅が全体的に平均36センチ前後)であるということが大きな特徴と言えるでしょう。

特徴2. 二重太鼓帯結びができる長さがある

現在市場で出回っている「二重太鼓用」の帯のほとんどは、袋帯です。二重太鼓というのは、背中の部分に来る「お太鼓(おたいこ)」の部分が二重になっている帯結びの方法のこと。二重太鼓を作るには長さが必要になるため、袋帯は平均4メートル~4メートル30センチ程度の長さがあります。仕立てた状態での他の帯に比べると、60センチメートル~70センチメートル程度は長さの差が出ます。

メインはフォーマル向け、格の高い袋帯

袋帯は上記でご紹介したとおり、最高位のフォーマルである丸帯の代用として登場しました。現在では丸帯が用いられることは花嫁衣装等の特殊な場合を除いてはあまり無いため、一般的には袋帯がフォーマル向け~セミフォーマルに用いられる上位格の帯ということになります。

袋帯で作れる「二重太鼓」という帯結びは、「二重(ふたえ)」=「重ねる」という意味合いがあることから、「何度でもあってほしいこと、喜ばしいこと」というお祝い毎のシーンに用いられるものです。そのため袋帯は以下のような慶事に使用されます。

  • 結婚式
  • 式典(入学式、卒業式、入園式、卒園式等)
  • パーティー
  • 成人式 等

袋帯を合わせる着物は?

上記のとおり袋帯はフォーマル~セミフォーマル、慶事用のものが多いため、以下のような正礼装・準礼装・略礼装の着物に合わせます。

  • 留袖(とめそで)
  • 訪問着(ほうもんぎ)
  • 振袖(ふりそで)

金糸・銀糸等が織り込んであったり、吉祥柄である袋帯等は、主に結婚式等に使うための礼装用の袋帯です。なお「袋帯ならなんでもフォーマルなのか」というと、そういうわけでもありません。柄行によってはカジュアル向けで、おしゃれ着(カジュアル向けの訪問着や付下げ等)に合わせるための袋帯もあります。

 

名古屋帯(九寸名古屋帯)とは?特徴と合わせる着物

名古屋帯(なごやおび)は、大正末期頃に名古屋を発祥に生まれた女性向けの帯。袋帯をより簡略化した帯として生まれました。従来の袋帯等に対して軽く締めやすいことから、一気に日本中に広まったと言われています。名古屋帯には「九寸名古屋帯(きゅうすん・なごやおび)」と「八寸名古屋帯(はっすん・なごやおび)」があり、この項では九寸名古屋帯を、次の項目では八寸名古屋帯をご紹介します。

特徴1. 表地・裏地が一つになっている

表地・裏地が異なる布である袋帯に対し、名古屋帯では表地・裏地がひとつに織られています。

特徴2. 「名古屋仕立て」であることが多い

「名古屋帯」というと、「太鼓の部分だけが並幅、その他の部分が半巾の帯」と思われている方も多いのではないでしょうか?確かにこの「体に巻く部分が半幅(半分に折って仕立ててある)」という仕立て方の名古屋帯が多いのは、間違いありません。しかしこれにはちょっとした誤解があるんです。

上記のような「太鼓の部分が並幅で、体に巻く部分は半分の幅」という仕立て方のことは「名古屋仕立て(なごやじたて)」と呼ばれます。名古屋帯は名古屋仕立てと相性が良いので、名古屋帯の仕立て方の「主流」となっているのは名古屋仕立てです。

しかし全ての名古屋帯が「名古屋仕立て」であるかというと、そういうわけではありません。手先部分だけを半幅にした「松葉仕立て」や、袋帯と同じように並幅で仕立てた「お染仕立て(袋名古屋帯)」という名古屋帯もあります。「並幅+半幅」の仕立てであればほぼ名古屋帯と考えてOKですが、「それ以外の仕立方だから、名古屋帯じゃない」というわけではないんですね。

特徴3. 袋帯よりは短い

名古屋帯(九寸名古屋帯)は、仕立て前の幅が35センチ(約9寸)前後、長さは仕立て後で平均3.4メートル~3.8メートル程度で、袋帯よりも短く仕立てられます。これは袋帯が二重太鼓を作るのに対し、名古屋帯が一重太鼓(二重にしないお太鼓)であるため。裏地の長さは概ね1.2メートル前後で、お太鼓部分にしか裏地はありません。袋帯よりも短いので帯を結びやすく、着付け初心者の方にも向いています。

特徴4. 薄手の生地が多い

九寸名古屋帯は帯芯(おびしん)を入れることを前提として作るため、薄手で柔らかな生地が用いられることが多いです。

セミフォーマルからカジュアルまで、幅広いシーンに使う名古屋帯

名古屋帯は元々「袋帯の略式」という形で生まれたため、「普段着・おしゃれ着向け」と考えられやすい帯です。しかし必ずしも「おしゃれ着・カジュアル一辺倒」かというとそういうわけでもありません。柄行によってはセミフォーマル(礼装用)としても使用されます。

最もフォーマルな場に用いられる代表格が、喪服着物に合わせるための名古屋帯といえるでしょう。お葬式・お通夜・法事といった弔事の場では、不幸が重ならないように「二重太鼓」ではなく「一重太鼓」が好まれます。
(二重太鼓を弔事に用いるのは、「良くないことを繰り返す」という意味になることからマナー違反です。)

そのため一重太鼓向けで使いやすい九寸名古屋帯が、弔事向けのフォーマル帯として広く活用されるようになったわけですね。この他、柄行によっては略礼装用の着物に合わせられる名古屋帯もあります。

九寸名古屋帯を合わせる着物は?

名古屋帯は柄行によって、合わせられる着物が大きく異なります。

  • 喪服着物:喪服用の帯
  • 紬:普段着用の柄行
  • 小紋:普段着用の柄行
  • 付下げ:比較的格の高い柄行
  • 色無地:比較的格の高い柄行 等

 

八寸帯(八寸名古屋帯)とは?特徴と合わせる着物

八寸名古屋帯(はっすんなごやおび)とは、九寸名古屋帯と同じ名古屋生まれの比較的新しい形の帯。昭和30年台頃に生まれたと考えられています。

特徴1. 表地・裏地が一つになっている

九寸名古屋帯と同様に、八寸帯も表地・裏地がひとつに織られています。

特徴2. 生地幅が狭い

八寸名古屋帯は、仕立て前の生地幅が約8寸(約30センチメートル前後)であることから名付けられました。九寸名古屋帯が九寸の生地の端を折り、身につける人の体型に合わせた幅に仕立てるのに対し、八寸帯は生地の幅そのままで仕立てるのが大きな違いです。

特徴3. 「松葉仕立て」であることが多い

前述した九寸名古屋帯の主流が「名古屋仕立て(太鼓部分が並幅+胴部分が半幅)」であるのに対し、八寸帯(八寸名古屋帯)では「松葉仕立て」が主流となっています。松葉仕立てとは、手先の部分だけを半分に折って仕立てた作り方です。しかし必ずしも「松葉仕立てのみ」というわけではなく、名古屋仕立てやおそめ仕立ての八寸帯もあります。

特徴4. 厚手・硬めの生地であることが多い

帯芯を入れることが多い九寸名古屋帯に対し、八寸帯(八寸名古屋帯)では帯芯を入れない仕立て方が主流となっています。そのため芯が無くても帯が美しい形を保てるような、ハリのある厚手・硬めの生地であることが多いです。

よりカジュアルシーンに使われやすい八寸帯

九寸名古屋帯と八寸帯(八寸名古屋帯)では、九寸名古屋帯の方が「格上」という扱いを受けることが多いです。八寸帯はよりカジュアルで、おしゃれ着・街着・普段着等向けというわけですね。ただし「八寸帯が全てカジュアルなのか」というとこれもそういうわけではありません。綴織(つづれ織り)の八寸帯は「綴れ名古屋帯」とも呼ばれ、こちらは色柄によってセミフォーマルとしても使用できます。

八寸名古屋帯を合わせる着物は?

一般的には普段着向け・街着向け等の着物に合わせることが多いです。

  • 小紋
  • 訪問着(綴織で色柄が礼装向けの場合)

 

半巾帯とは?特徴と合わせる着物

半巾帯(はんはばおび)は、非常に歴史の長い帯。「半幅帯」と書くこともあります。背中にボリューム感が出ないので、かつては羽織を合わせる時等に身につける帯としても使われてきました。現在では非常に多様化をしており、様々なシーンで使われるようになっています。

特徴1. 全体が並幅の半分の幅である

袋帯や名古屋帯とは異なり、半幅帯には並幅(平均36センチメートル前後)の部分がありません。全体が半幅(並幅の1/2)で、概ね四寸(約15センチ~18センチ)であることが大きな特徴となっています。

特徴2. 小袋帯と単衣帯がある

半巾帯には、「小袋帯(こぶくろおび)」と「単衣帯(ひとえおび)」という種類があります。

  • 小袋帯:二枚の生地の端を縫い合わせて、袋状に縫ってあります。どちらも表にして使えるリバーシブル構造です。浴衣の他、着物にも合わせられます。
  • 単衣帯:単衣帯は一枚で仕立てられてており、薄手で軽やかなのが特徴。主に浴衣に合わせるための帯です。

特徴3. 素材・長さ等のバリエーションが豊か

半幅帯はポリエステルやウール、木綿、唐織、博多織等、非常に幅広い素材のものがあります。また長さは平均3.6メートルほどで袋帯よりは短めですが、最近では変わり結び等を行うために長めの半巾帯も多数登場しています。

カジュアルな装いのための半巾帯

半巾帯は元々普段着のための帯として生まれたもので、帯としての格は低いです。現在でも「おしゃれ着」「街着」として、カジュアルな場に使用される帯となっています。

半巾帯を合わせる着物は?

  • 小紋
  • 浴衣

昨今のきものブームによって、デートや街歩き等に気軽に着物を着用される若い方が増えたことで、半巾帯の登場回数も増えているようです。また花火大会等の夏の浴衣の装いにも、半巾帯が活躍します。

原則として、礼装(フォーマル)に半巾帯を使用することはありません。ただし例外として、卒業式の袴姿には半巾帯が使用されます。

 

おわりに

袋帯・名古屋帯・半巾帯…それぞれの帯の種類の違いはいかがでしたか?ざっくりと「帯の格」ということでまとめると、以下のような順番になります。

↑<フォーマル向け>
・袋帯
・九寸名古屋帯
・八寸名古屋帯
・半巾帯(小袋帯)
・半巾帯(単衣帯)
↓<普段着向け>

ただし上記でもご紹介したとおり、ひとくちに「袋帯」「名古屋帯」といっても、その素材や柄行等によっては使用するシーン等にも違いが出てきます。カジュアル寄りの袋帯もあれば、結婚式等にも身に着けていける名古屋帯もあるということです。これから帯をご購入になる際には、専門店等で「どのようなシーンで使うか」「どんな着物に合わせるか」といった点を丁寧に相談しながらお買い求めになることをおすすめします。上手に帯を使い分けて、着物のおしゃれをもっと楽しんでいきたいですね。

関連記事

LINE@
ご依頼方法と送り方

カテゴリー

最近の記事

ページ上部へ戻る