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お宮詣りの意味とは?「お詣り」と「お参り」の違いは?知っておきたい基礎知識

お宮詣り

赤ちゃんが生まれたご家庭にとって大事なイベントである「お宮参り(お宮詣り)」。日本人らしい「和」の文化が再度注目される昨今、若い世代でも積極的にお宮参りを行うご家庭が増えています。しかし何もかもが初めての行事ですから、「お宮参りって神社に行くものなの?お寺に行くの?」「『お宮参り』と『お宮詣り』で何か違いはあるの?」等等、疑問や不明点が出てきて困ってしまった…という方が少なくないようです。

大切なお子さまのためのイベントですから、伝統的な意味合いなども正しく知った上でお祝いをしたいですね。今回は「お宮参り(お宮詣り)」の意味や歴史、「お参り/お詣り」の違い等、お宮参りについての様々な基礎知識をご紹介していきます。

お宮参り(初宮参り)の歴史とは

お宮参り/お宮詣(おみやまいり・おみやもうで)とは、赤ちゃんが無事に生まれたことを神様(もしくは仏様やご先祖様)に報告する行事です。神社(お宮)に詣るから「みやまいり」というわけです。赤ちゃんにとって初めての宮参りであることから、「初宮参り(初宮詣で)」と呼ばれることもあります。

鎌倉時代~室町時代頃に一般化

お宮参りの歴史は非常に古いものです。古来より日本では産後に近隣の神社に詣でる行事が定着しており、地域によってはこれを「産土詣で(うぶすなもうで)」と呼んでいました。「産土(うぶすな)」とは、その土地を守る神である「産土神(うぶすなかみ)」のこと。先祖一族を守護する氏神(うじがみ)、そして生まれた土地を守る産土神様に赤ん坊の顔見せをする、一種の「挨拶」のような行事であったと考えられています。

この「産土詣で」が徐々に「お宮参り・初宮詣で」等と呼ばれ、祈祷等が徐々に全国的に一般化していきます。お宮参りが日本各地に定着したのは鎌倉時代頃(12世紀頃)という説と、室町時代の頃(14世紀~15世紀頃)であるという説があります。いずれにしても何百年も前から伝わる、伝統ある行事なのですね。

江戸時代に祝い事らしく発展

更に時代を経て江戸時代に入ると、お宮参りは武家社会の行事の一環に組み込まれていきます。各武家で行われてきた「お宮参り」(神社への参拝)の後に、更に幕府大老等の家に挨拶に立ち寄り、子供の顔見世・挨拶等を行う風習が根付いていきました。今で言えば、お祖父様・お父様の社長や上司のおうちに挨拶に行くようなものですね。

このような上流層の風習は、徐々に江戸に住む一般庶民達にも拡大していきます。家族のみで近隣の神社に詣でるだけでなく、その後に近隣の親類や知人宅へ挨拶に行ったり、親類・家族等と祝いの膳を囲んだり…といった、より「祝い事」らしい行事として定着していったのです。

 

お宮参りにはどんな意味があるの?

では「お宮参り」という行事には、一体どんな意味があるのでしょうか。

古来からの「お宮参り」の意味

江戸時代から明治・昭和頃までの「お宮参り」の意味には、以下の2つがあったと考えられます。

1)子どもの無事の成長・加護を祈る
土地を守る神である「産土神(うぶすながみ)」や一族を守る「氏神(うじがみ)」を詣でることで、神様にその土地に住まう氏子であることを認識してもらいます。神様の祝福を受け、悪いものから守ってもらう(加護)、その後の無事の成長を祈るといった意味合いがあります。

2)母の穢れを祓う
かつての日本では、出血をする・血が出るといった状態は穢れ(ケガレ=不浄・汚いこと)であると考えられてきました。例えば月経中には神前には出られないといった風習があったのです。出産も血を伴うことから「穢れ」の一種であると考えられていたわけですね。そのため「お宮参り」には、母親の身体の穢れを払い、忌明けをするという意味合いもありました。(地域によっては忌明けと宮参りを別扱いとする考えもあります)

現代的な「お宮参り」の扱い

現在では、お宮参り・初宮詣でに対する日本人の考え方もかなり変化しています。ざっくりと「子供の無事と成長を家族で祈る行事」と考える方も多いです。また核家族化により出産直後に祖父母や親族がお子さまと顔を合わせることが少なくなっており、「お祖父様・お祖母様が初めてのお孫様と一緒に参加するイベント」という位置づけとなっていることも少なくありません。

 

お宮詣りって神社に行くの?お寺でも良いの?

お宮詣りって神社に行くの?お寺でも良いの
お宮参り(お宮詣)の発祥は「産土神/氏神」を詣でるという神道由来のものです。そのため一見すると、お宮詣りは神道である「神社」のみで行うように思われますね。ところが…実際には、お宮参りを仏教の「お寺・仏閣」で行うという方もとても多いのです。

「雷門」で有名な浅草の浅草寺や、「厄除け大師」として知られる川崎大師等等、全国の大きなお寺の多くも、もちろんお宮参りの祈祷を行っています。つまりお宮参りは「神社」で行っても良いし、「お寺」で行っても正解という行事なんです。これはどうしてなんでしょうか?

日本は元々神道が根付いていた国ですが、飛鳥時代に仏教が伝来し、奈良時代には大きなお寺や仏像が各地で作られるようになりました。しかしその当時の日本では、「神道」と「仏教」はそこまで大きく分かれた存在として認識されていなかったのです。「神仏混交(しんぶつこんこう)」「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という考え方で、神様も仏様も混じり合った存在として考えられていたり、大きなお寺の中に神社がある・神社の中に仏閣があるということも普通でした。

神道・仏教の区別は、明治元年の「神仏分離令」によって一応2つに分けられるようになります。しかしお宮参りは先程ご紹介したとおり、それよりもはるか昔、1000年も前から行われていたと言われる古い行事です。お宮参りは神道・仏教の区別を付けないころから根付いていた行事なので、現在も行われる施設は「神社/お寺」の区別無しの曖昧な状態になっている…というわけなんですね。「初詣」ができる仏閣があるのも、これと同じ理由です。

また「安産祈願をお寺でされた」という方の場合、「お礼参り」を簡略化した形として「お宮参り」をそのお寺で行うという方も居るようです。ただし地域によっては「お宮詣は神社に限定される」という考えが根強く、お寺ではお宮参りを行わないところもあります。

 

「お参り」と「お詣り」はどう違うの?

お宮詣り(初宮参り)について、漢字が「参り」と「詣り」の2種類が使われていることで「どっちが正解なんだろう?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。また地域によっては、「お宮詣(おみやもうで)」と呼ぶこともあります。これは「神社」に行くのか「お寺」に行くのかで、使う漢字や用語が微妙に異なるためです。

「詣」「初宮詣」は神社に使うことが多い

「お詣りをする」という言い方は、一般的に「神社に向かい神様にご挨拶をする」という意味合いで使われます。「詣でる」という言葉は神社・仏閣いずれにも使える言葉ですが、上記のような使われ方が根付いたことから、「お宮詣り」「お宮詣(おみやもうで)」は『神社』に行く場合に使われることが比較的多いと言えます。

「詣でる」という言葉は、元々「神様の元に、自発的に感謝を述べに行く」といった意味から生まれたとも言われています。赤ちゃんが無事に生まれたことを感謝しに神様の元へ行く行事ですから、「宮詣(みやもうで)」がピッタリというわけですね。

「お参り」はお寺が多い?

「お詣り」が神社で使われることが多いため、これに対して「お参り」は『寺院(仏閣)』に対して使う言葉であるという…という説も多く見られます。しかし「お参り」という言葉は、必ずしも「寺院限定」というわけではありません。そもそも「参る」という言葉は目上の人や場所に対して使う言葉なので、神社にも寺院にも使えるのです。

また現在では「詣る」という漢字があまり使われなくなったためか、神社でも「お宮参り」という言葉遣いをするところも増えています。

 

お宮参りの参加者は?

古典的な風習では「父方家族」

江戸時代~明治頃までに根付いた「お宮参り」の風習では、宮参りには赤ちゃんとその父親、父方の祖父母が参加する行事となっていました。これは当時、お嫁様は旦那様のお家に入るものであり、生まれたお子様は父系家族の孫であるという考え方が一般的だったためです。産後の忌明けが済んでいない母親が参加しないというケースも珍しくありませんでした。

現在では「家族全体のイベント」に変化

現代では「お宮参り」は、家族の一員である赤ちゃんをお祝いするための「家族全体のイベント」という位置づけに変化しています。そのため参加者は赤ちゃんと両親が主体で、更に両親の両方の祖父母が参加するという形が一般的となりました。また赤ちゃんのご両親の兄弟・姉妹等の親族が同行して、お参りの後には皆でお祝いの食事会をする…というパターンも多いです。

また最近では、「両方の祖父母が離れた土地に住んでおり一同に会するのが難しい」「赤ちゃんやお母様の体調が不安である」といった理由から、赤ちゃんとご両親のみでコンパクトにお宮参りを行うスタイルも見られるようになっています。写真や動画等でお宮参りの様子をお祖父様・お祖母様に送ることが容易になったことも、このようなスタイルを後押ししているのかもしれませんね。

 

おわりに

お宮参り(お宮詣)についての基礎知識はいかがでしたか?お宮参りはとても歴史のある行事であり、その分、地域性の非常に強いイベントであるとも言えます。「お宮参りは父系家族の氏神の神社で行う」ということが徹底している地域もありますし、東北等の寒冷地の場合、冬場のお宮参りは行わず、春まで待つという地域も珍しくありません。「この考え方が絶対!」という全国共通ルールがあるわけではないのです。

お宮参りの行き先や参加者等については、あらかじめご両親が両方の祖父母・親族等にもよく相談しておいた方が良いでしょう。大切な赤ちゃんを祝うイベントですし、ご家族・ご親族の皆さまがきちんと納得できるような形を選ぶことも大切です。

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