「成人式は、いつから始まったの?」
「なぜ成人式では振袖を着るの?」
「18歳が成人になったのに、どうして20歳で成人式をするの?」
成人式について、こんな疑問を持ったことはありませんか?
現在の成人式のルーツは、1946年に埼玉県蕨町で始まった「成年式」にあるとされています。
その後、「成人の日」が制定され、成人を祝う行事として全国に広がっていきました。
この記事では、成人式が始まった背景から、18歳成人後の現在の成人式、そしてなぜ振袖を着るのかまで、歴史をポイントに絞って分かりやすく解説します。
車椅子を利用している方も、成人式の意味を知ることで、「自分はどんな姿で成人の日を迎えたいか」を考えるきっかけにしてみてください。
成人式は「いつから?」30秒でわかる
成人式の歴史を、まずは年表で見てみましょう。
成人式の歴史を一目で
現在の成人式のルーツは、1946年に埼玉県蕨町で行われた「成年式」にあるとされています。
日本には成人式が始まるより前から、「元服」や「裳着」などの成人儀礼がありました。
「成人を祝う文化」と「現在の成人式」は別のものと考えると分かりやすいでしょう。
1946年、なぜ「成年式」が始まった?

現在の成人式のルーツとされる「成年式」は、1946年(昭和21年)に埼玉県蕨町(現在の蕨市)で始まりました。では、なぜ戦後間もないこの時期に、若者のための式典が行われたのでしょうか。
戦後の若者を励ますため
1946年は、第二次世界大戦が終わった翌年です。戦後の社会が大きく変わる中、蕨町では、これからの時代を担う若者を励まし、その門出を祝うための行事が企画されました。
それが「青年祭」であり、その中で行われたのが「成年式」です。つまり、現在の成人式の原点は、最初から全国的な行事として始まったものではありません。
地域の若者を励まし、新しい人生の門出を祝う取り組みから始まったのです。
励ます
若者を励ます
祝う
これからの社会を
担う若者を祝う
応援する
人生の新しい門出を
応援する
そして1948年、「成人の日」が生まれる
蕨町で始まった成年式をきっかけに、成人を祝う行事は全国へと広がっていきました。そして1948年、「国民の祝日に関する法律」によって「成人の日」が制定されました。
成人の日の趣旨は、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」とされています。つまり、成人の日には、単に「大人になったことを祝う」だけではなく、これからの人生を歩んでいく若者を励ますという意味も込められているのです。
1946年に始まった成年式の精神は、こうして全国的な「成人の日」へとつながっていきました。
「成人の日」と「成人式」は同じ?
「成人の日」と「成人式」は、同じものだと思われがちです。でも、実は役割が違います。
= 国民の祝日
= 自治体などが行うお祝いの式典
この違いを知っておくと、「18歳が成人なのに、なぜ20歳で成人式をするの?」という疑問も分かりやすくなります。
「成人の日」は国が定めた祝日
「成人の日」は、1948年に「国民の祝日に関する法律」が制定されたときから設けられている国民の祝日です。
現在は、1月の第2月曜日と定められています。
その趣旨は、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」とされています。
つまり「成人の日」は、成人を迎える若者の成長と門出を、社会全体で祝うための日です。
「成人式」は自治体などが行う式典
一方、「成人式」は法律で全国一律に決められた式典ではありません。
開催時期や対象年齢、式典の名称などは、自治体によって決められています。法務省も、成人式について「対象年齢や開催時期に法律上の決まりはない」と説明しています。
そのため、現在では、
- 成人式
- 二十歳のつどい
- 二十歳を祝う会
- 二十歳の集い
など、自治体によってさまざまな名称が使われています。
「成人の日」と「成人式」の違い
「対象年齢」はない
だから「18歳成人」でも20歳の式典がある
2022年4月、民法の改正によって成年年齢は20歳から18歳へ引き下げられました。
しかし、成人式の対象年齢は法律で決められていないため、18歳を対象にする必要はありません。
実際、多くの自治体では、成年年齢が18歳になった後も20歳を対象とした式典を開催しています。たとえば川越市では、2022年度以降も対象年齢を20歳とし、名称を「二十歳のつどい」に変更しています。
= 法律上の成人
= 成人を祝う式典の対象として、多くの自治体が設定
ここを分けて考えると、現在の成人式の仕組みが分かりやすくなります。
成人の日は、なぜ「1月15日」だった?
現在の「成人の日」は1月の第2月曜日ですが、以前は毎年1月15日と決められていました。では、なぜ1月15日だったのでしょうか?
もともとは「1月15日」だった
「成人の日」が国民の祝日として制定された1948年当時、成人の日は1月15日と定められました。その背景には、日本で古くから行われてきた「元服(げんぶく)」などの成人の儀礼があります。
内閣府の資料によると、元服は正月に行われることが多く、宮中や公家では正月5日まで、武家では正月11日に行われることが多かったとされています。
そこで、こうした昔の習わしを参考にしながら、特定の身分に偏らない「国民の日」として、1月15日が選ばれました。
成人を祝う昔の習わし
正月に行われることが多かった
1948年、「成人の日」を1月15日に制定
2000年から「1月の第2月曜日」へ
その後、祝日法の改正によって、2000年から成人の日は1月15日ではなく「1月の第2月曜日」に変更されました。
これは、いわゆる「ハッピーマンデー制度」によって、祝日を月曜日に移して連休をつくり、余暇活動の充実やゆとりある生活につなげることを目的としたものです。
そのため現在は、
となっています。
なお、2026年の成人の日は1月12日(月)でした。成人の日の日付は毎年変わりますが、必ず1月の第2月曜日になります。
「1月15日」には、昔からの成人の文化がつながっている
1月15日という日付には、単なる日付以上に、日本で昔から行われてきた成人の儀礼とのつながりがありました。
現在の成人式は1946年の成年式をルーツとしていますが、そのさらに背景には、元服などの古くからの成人儀礼があります。
こうして考えると、
と、成人を祝う文化が時代を超えてつながっていることが分かります。
18歳が成人になったら、成人式はどうなった?
2022年4月、民法改正により成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられました。では、成人式も18歳で行われるようになったのでしょうか?
実は、成人式の対象年齢は法律で決められていません。
そのため、成年年齢が18歳になった後も、20歳を対象に式典を行う自治体が多くあります。
18歳は高校3年生にあたり、大学受験や就職活動などと重なるため、これまで通り20歳で式典を行うほうが参加しやすいという事情もあります。
現在は「成人式」だけでなく、
「二十歳のつどい」
「二十歳を祝う会」
などの名称で開催する自治体も増えています。
つまり、
と考えると分かりやすいでしょう。
車椅子を利用する方も、自治体の案内を確認して、自分が対象となる式典の時期に合わせて準備を進めれば大丈夫です。
日本には成人式より前から「成人の儀礼」があった
現在のような「成人式」が始まるよりずっと前から、日本には大人になったことを社会的に認めるための儀礼がありました。
代表的なのが、男性の「元服」と女性の「裳着」です。
男性の「元服」
「元服(げんぷく)」は、主に古代から近世にかけて行われていた男性の成人儀礼です。
年齢や時代、身分などによって内容は異なりますが、髪型や服装を改めたり、冠や烏帽子を着けたりすることで、子どもから大人へ移る節目を示しました。
女性の「裳着」
性にも「裳着(もぎ)」と呼ばれる成人の儀礼がありました。
平安時代の貴族社会などで行われ、女性が裳(も)を着けることで、大人の女性としての節目を迎えることを示したとされています。
このように、日本では昔から、
という文化がありました。
現在の成人式は、こうした古くからの成人儀礼とまったく同じものではありません。
しかし、「人生の節目を祝う」という考え方は、時代を超えて受け継がれていると考えることができます。
成人式で振袖を着るのはなぜ?
成人式といえば、華やかな振袖姿を思い浮かべる方も多いでしょう。では、なぜ成人式では「振袖」を着るのでしょうか?
振袖は、若い女性の晴れ着として発展した
振袖は、袖が長く仕立てられた着物です。江戸時代には、現在のような長い袖を持つ振袖が若い女性の着物として定着していきました。
やがて振袖は、未婚女性が着る第一礼装(最も格式の高い礼装)の一つとして広く知られるようになります。
そのため、成人式のような人生の大切な節目に、華やかな振袖を着る習慣が広がっていきました。
「振袖」には、人生の門出に合う意味も
振袖の特徴である「長い袖」には、若さや華やかさを象徴するだけでなく、袖を振ることにまつわる文化的な意味もあります。
また、成人式では色や柄、帯などを自由に選び、自分らしい晴れ着として楽しめることも、振袖が親しまれている理由の一つです。
つまり、
という流れで、振袖を着る文化が定着していったと考えると分かりやすいでしょう。
成人式で大切なのは「振袖を着ること」だけではない
ただし、成人式だからといって、必ず振袖を着なければならないわけではありません。成人式は、人生の節目を祝い、これからの人生を応援する日です。
振袖を着る人もいれば、スーツやワンピースなど、自分に合った服装を選ぶ人もいます。そして、車椅子を利用している方も同じです。
「車椅子だから振袖は無理」と最初から決める必要はありません。
車椅子に合わせた着付け方法や二部式仕立てなどを利用すれば、座った姿勢でも振袖を楽しむことができます。
大切なのは、決められた形に合わせることではなく、「自分はどんな姿で成人式を迎えたいか」を考えること。
振袖を着たいという気持ちがあるなら、車椅子でもその希望を大切にしてよいのです。
まとめ
現在の成人式のルーツは、1946年に埼玉県蕨町で始まった「成年式」にあるとされています。その後、1948年に「成人の日」が国民の祝日となり、成人を祝う行事が全国へ広がっていきました。
2022年には成年年齢が18歳に引き下げられましたが、成人式の対象年齢は法律で決められていないため、現在も20歳を対象に「二十歳のつどい」などを行う自治体が多くあります。
成人式で振袖を着ることも、長く受け継がれてきた「人生の節目を晴れ着で祝う」文化の一つです。そして、車椅子を利用している方も同じです。
成人式は、誰かと同じ形で迎えなければならないものではありません。
振袖を着たい。家族と写真を残したい。そんな「自分らしく成人式を迎えたい」という気持ちを大切にすることが何より大切です。
車椅子でも振袖を楽しむ方法はあります。「着てみたい」という気持ちがあれば、ぜひ自分らしい成人式を考えてみてください。
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