「車椅子だから着物は無理。」かつて、多くの車椅子ユーザーがそう考え、人生の晴れの日に着物を着ることを諦めていました。そんな現実を変えたいという強い想いから、車椅子着物の開発が始まりました。
その中心にいたのが、車椅子ユーザーであり障害者福祉活動にも取り組む木村寛子さんです。木村さんはなぜ車椅子着物を作ろうと思ったのか。どのような課題に直面し、どんな未来を目指していたのか。
そして、着物サロン創夢(KIMONOiSU)と出会い、車椅子着物開発へとつながった経緯とは…
木村寛子さんとの出会いが車椅子着物開発の始まりでした

「車椅子でも着物を着たい」その想いとの出会い
着物サロン創夢(KIMONOiSU)が車椅子着物の開発に取り組むことになったきっかけは、木村寛子さんとの出会いでした。木村さんは車椅子ユーザーであり、障害者福祉活動にも積極的に取り組んでいました。
活動を通じて多くの車椅子ユーザーと接する中で、木村さんは「着物を着たいのに諦めている人がたくさんいる」という現実を知ります。成人式や結婚式など、一生に一度の大切な日であっても、「車椅子だから着物は無理」と諦めてしまう人が少なくありませんでした。
その現実を変えたい。
障害があっても、誰もが着物を楽しめる社会をつくりたい。そんな木村さんの強い想いが、すべての始まりでした。
クラウドファンディングで広がった共感の輪
木村 寛子 2021/04/01 公開) – クラウドファンディング
木村さんは、その想いを形にするためクラウドファンディングに挑戦しました。目指したのは、車椅子ユーザーでも無理なく着られる着物の開発です。
プロジェクトには全国から多くの共感が集まり、見事に目標を達成。しかし、本当の挑戦はここからでした。実際に車椅子で快適に着られ、美しく見える着物を作るには、着物に関する専門的な知識と技術が必要だったのです。
着物サロン創夢との出会い
そんな中で木村さんが出会ったのが、着物サロン創夢(KIMONOiSU)でした。創夢は長年にわたり着物に携わり、着付けや仕立ての知識と経験を積み重ねてきました。
木村さんから車椅子ユーザーが抱える悩みや、「誰もが着物を楽しめる社会をつくりたい」という想いを聞いた創夢は、その考えに深く共感しました。
そして、「私たちの技術で力になれることがあるかもしれない」と考え、車椅子着物の開発に協力することを決意したのです。
試行錯誤を重ねた車椅子着物開発
しかし、既存の着物をそのまま活用するだけでは問題を解決できませんでした。
- 車椅子に座った状態でも美しく見えること。
- 長時間着ても苦しくないこと。
- 介助者の負担を軽減できること。
- そして何より、着物本来の美しさを損なわないこと。
そのすべてを実現するため、木村さんと創夢は何度も意見を交わしながら試作と改良を繰り返しました。実際に着用テストを行い、当事者の声を聞きながら細かな改善を重ねていったのです。
車椅子着物開発は今も続いている
こうして誕生した車椅子着物は、多くの方の笑顔を生み出してきました。成人式で振袖を着る夢を叶えた方。家族写真を着物姿で残せた方。結婚式や記念日を特別な装いで迎えられた方。
その一つひとつの笑顔が、木村さんと創夢が目指してきた未来そのものです。車椅子着物開発は、単に新しい着物を作ることではありません。「障害があっても、人生の晴れの日を諦めなくていい。」そんな社会を実現するための挑戦です。
着物サロン創夢(KIMONOiSU)はこれからも木村寛子さんの想いを受け継ぎ、誰もが自分らしく着物を楽しめる未来を目指して歩み続けます。
NHKでも紹介された車椅子着物プロジェクト
木村寛子さんが取り組む車椅子着物プロジェクトは、その社会的意義や先進的な取り組みが注目され、NHKのニュース番組でも紹介されました。
番組では、車椅子ユーザーが抱える「着物を着たいけれど着られない」という課題や、その課題を解決するために開発された車椅子着物について取り上げられました。
車椅子着物プロジェクト発起人木村寛子さんプロフィール
| 名前 | 木村 寛子(きむら ひろこ) |
|---|---|
| 活動・団体名 | 一般社団法人 マルチスイッチ |
| ホームページ | https://multiswitch.jp/ |
| 主な活動 | ・障害当事者や家族への相談支援 ・ピアカウンセリング活動 ・障害者の社会参加支援 ・地域での啓発活動 ・車椅子ユーザー向け着物プロジェクトの推進 ・バリアフリーやインクルーシブな社会づくりに向けた情報発信 |