『ふじぜん』では、お客様の大切な着物を傷めることが無いよう、一点一点細心の注意を払ってお取り扱いしております。しかし万一の際のクリーニング事故の場合を想定し、『クリーニング事故賠償基準』を設定いたしました。当店のサービスご利用に際しましては、以下の賠償基準が適用となります。

賠償の適用となる事故原因

「クリーニング事故」とは、クリーニングにおける衣類の以下のようなトラブルを指します。

【クリーニング事故例】
・衣類の地色がハゲる
・衣類が縮む
・色あせが起きる
・衣類の紛失 等

上記のようなクリーニング事故が起こる原因には、大きく分けて3つの種類があります。

1)クリーニングにおける処理・その他保管中の取扱による過失
クリーニング店での処理によって着物が損傷したり、その他のお預かり中の過失で着物が損傷・紛失した場合を指します。

【例】
・洗濯処理による着物の損傷
・仕上げ処理(プレス加工等)による着物の損傷
・規定の保管期間中における着物の紛失 等

2)メーカー(アパレルメーカー・縫製メーカー等)の企画または製造等の過失
着物等の製品製造側の企画時の過失もしくは製造時の過失によって、製品になんらかの問題が生じている場合を指します。

【例】
・染料の耐性が弱く、褪色・色移り等が起きる
・生地素材の特質・染色加工等による硬化・剥離・収縮等の変化
・ビーズ・スパンコール等の付属品・装飾品の取り付けの甘さ等による欠落・破損、変色・褪色
・縫製が粗く糸の綻び・ほつれ等が起きている
・シワ加工の弱さによる加工の消失 等

3)お客様の使用時もしくは保管時における過失
お客様の着用中、もしくは保管中に過失があり、着物になんらかの問題が起きている場合を指します。

【例】
・汗染みによる変色や褪色
・日光や蛍光灯による変色や脱色
・穴あき、キズ
・洗剤・溶剤・薬品使用等による変色・脱色・褪色
・着物等の和装製品の着用による破れ、糸引き
・使用時の食べこぼし、泥ハネで通常のクリーニングでは除去が難しい汚れ
・着用中の摩擦によって自然消耗した毛羽立ち、スレ
・お客様の保管中の虫食いによる穴あき
・クリーニングが完了・着物引き取り後の保管中に起こったカビ発生などの着物のトラブル
・ご自宅での長期保管による素材の経年劣化
・その他、上記に類するお客様による事故

『ふじぜん』では、上記3種類のクリーニング事故原因のうち1)にあたる「クリーニングにおける処理とその他保管・取扱による過失」とみなされる場合、クリーニング事故賠償問題協議会制定の『クリーニング事故賠償基準』に基づく損害賠償に対応致します。

なお、原因2)「メーカーの企画または製造等の過失」ならびに3)「お客様の使用時もしくは保管時における過失」につきましては、損害賠償の適用対応外となります。

クリーニング事故賠償基準とは

「クリーニング事故賠償基準(じこ・ばいしょうきじゅん)」とは、着物等の洗濯物に対してクリーニング業者が賠償責任を負う際に、消費者を保護し公平にかつ迅速に対応できるように作られた目安です。制定されたのは1968年(昭和43年)のことで、行政(当時の厚生省や通産省)の他、保険業界・繊維業界・消費者団体・弁護士等の代表者・専門家が集まり作り上げました。

「クリーニング自己賠償基準」は、時代に合わせて何度か改定も行われています。2019年現在に使用されているのは、は2015年(平成27年)の第4次改定による平成27年改訂版クリーニング事故賠償基準(2015年10月1日施行)です。

消費者庁所管の独立行政法人・国民生活センターや消費生活相談窓口等でも「クリーニング自己賠償基準」は使われており、消費者と企業の間の紛争調整を行う際の基準とされています。

クリーニング自己賠償基準によって定めている主な内容は以下のとおりです。

・賠償額の算定に関する基本方式
・賠償額の算定に関する特例
・賠償額の減縮
・基準賠償額支払義務の解除
・商品別平均使用年数
・物品の購入時から経過月数に対する補償割合 等

『ふじぜん』では賠償額の算定等におきまして、上記『クリーニング賠償基準』を使用しております。『クリーニング自己賠償基準』の全文ならびに具体的な運用マニュアルにつきましては、『全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)』のホームページ等から最新の改訂版データをご覧いただけます。
https://www.zenkuren.or.jp/

クリーニング事故発生時の免責・注意点

クリーニング事故発生時の免責内容や特記事項・注意点をご案内致します。

クリーニング事故による賠償範囲について

自然災害による免責

台風・地震・火山噴火・地すべり・洪水等の自然災害による事故、もしくは自然災害を起因にした事故につきましては免責となり、賠償範囲にはなりません。この免責は、当社からお客様の元へ着物を配送している際にも適用となります。

経時劣化は賠償範囲外

衣類は経年劣化・経時劣化によって色合い・風合い等が変化していきます。特に天然染色製品の着物の場合は劣化による風合いの変質が起こりやすいです。

当ページ上部の「賠償対象となる原因」にてご案内した通り、当社では賠償となる対象原因を「クリーニング店の処理もしくは保管による過失」の場合のみとしております。着物ならびに和装品の経年劣化・経時劣化による風合い・色合い等の変化は賠償の対象外となります。

伸縮発生における賠償の適用

着物ならびに和装品が万一伸縮した場合でも、生地特性の許容範囲内につきましては賠償の対象外となります。特に正絹(シルク)等はその特性上、収縮が起こりやすい繊維です。正絹洗い張り(水洗い)において収縮が起こった場合等でも、着用に大きな問題が見られない収縮については賠償の適用とはなりません。

特殊装飾品は賠償対象外

着物や和装品に縫い付けたり貼り付けてある特殊装飾品につきましては、万一紛失や損傷があった場合でも賠償は致しかねます。

【装飾品の一例】
・ビーズ
・スパンコール
・ボタン
・リボン
・その他貴金属

宅配対応の場合の賠償対象

クリーニング完了後、当社よりお客様へと衣類を返送する際の事故におきましては、当社規定の賠償基準の対応内となります。しかしお客様から当社へ着物を送られる際(当社到着前)に発生した事故につきましては、賠償の対応外です。

当社未着の着物についてのお問い合わせ・お手続き等につきましては、恐れ入りますがお客様と運送会社様の間で行っていただきます。

リスク説明済みの製品について

『ふじぜん』ではクリーニングの前に各製品について丁寧にチェックを行った上、クリーニング処理による衣類損傷のリスクが高いと思われる製品についてはお客様にご相談・リスク説明を行っております。お客様によるリスク了承後のクリーニング処理で製品の損傷があった場合、賠償免責とさせていただく場合がございます。

クリーニング完了後の賠償適用について

お客様のお手元にクリーニング済みの製品が到着した後、6ヶ月経過後に判明したトラブルにつきましては、賠償の対応外となります。

賠償金額・賠償内容について

事故発生時の賠償金額上限について

クリーニング事故における賠償金額は、事故によって損傷・紛失した該当製品の時価相当額が上限となります。時価金額を超えての賠償は致しかねます。

【製品の時価とは?】
時価とは、購入価格から購入後の経過時間の商品の劣化・損傷等を差し引いた上で算出した金額です。時価金額の算出方法の詳細につきましては、『クリーニング賠償基準』全文にてご確認いただけます。

購入金額の提出について

賠償金額算定における参考として「製品の購入価格」を提示する場合には、購入時のレシート・領収書等が必要となります。レシート等の証紙が無い場合(お客様のご記憶の購入価格等)は、購入時の参考価格とはなりません。

損害賠償の内容について

「遺品」「思い出の品」「記念品」「希少品」といった主観的価値による無形的な損害賠償には応じられません。またその他の精神的慰謝料についてもご対応を致しかねます。恐れ入りますが製品の時価という客観的価値判断・賠償対応となりますのでご了承ください。

その他の注意点

特殊装飾・特殊加工の原状回復について

縫い付けてあるビーズ・スパンコール・ボタン・貴金属等の特殊装飾品が剥離・損傷・紛失した場合、代替品の取り付け等は有料でのお引き受けとなります。無償での修復は行承っておりません。

該当製品の返却について

万一クリーニング事故が発生し全額賠償となった場合、事故扱いとなった製品の所有権は当社に移ります。この場合、賠償後の事故製品の返却は致しかねます。

クリーニング代金について

万一クリーニング事故が発生した場合の対処は、上記のとおり「賠償基準の範囲内」による金額での賠償対応としております。お支払いいただきましたクリーニング代金の返金は応じかねる場合がございます。

お引取りの遅延による賠償減額について

当社ご連絡より90日を過ぎても製品のお引取りが無い場合、当社保管による損害分を賠償金額から減額させていただきます。また6ヶ月を過ぎてもお引取りが無かった製品につきましては、賠償の対象外とさせていただく場合がございます。

クリーニング事故を防ぐために

『ふじぜん』ではクリーニングの事故を最大限に防げるよう、お預かりした着物の徹底したチェックとお客様へのご説明を徹底しております。また事前のお問い合わせ・ご相談も大歓迎です。

「この着物はクリーニングしても大丈夫かしら?」「祖母の昔の着物を着たいけど、古い着物のシミ抜きはできる?」等等、わからないことがございましたらお気軽にお問い合わせください。有資格者であるプロのきもの診断士が、ていねいにご回答致します。

吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


着物の染み抜きやお直しをする場合、加工内容や料金は検討がつかないと思います。お近くに専門店があれば安心ですがシミや汚れを見てもらったが、無理だと言われ諦めてしまう方が多いのです。遠方にお住まいの方はお電話又はメールでご相談いただければ、無料にてアドバイスさせていただきます。クリーニングやお直し以外でも着物の事ならお気軽にご連絡ください。 初めてご訪問の方へ

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