夏の暑い日の結婚式、冬の暖房の効いているパーティーや劇場… 着物を着ている時、私達は意外と多くの汗をかいています。こんな時の着用後の大切なお手入れが「着物の汗抜き・汗取り」です。大切な着物を変色させないように、早めに着物の汗を取り除きましょう。
着物クリーニング専門店の『ふじぜん』の汗取りクリーニングなら、ビッショリとかいた汗の成分もスッキリ!着物のキレイな状態を長持ちさせたい方におすすめです。
目次
着物の汗抜き・汗取りとは?
着物の汗抜き(あせぬき)とは、着物や長襦袢の繊維が吸い込んでしまった汗の成分(水分・皮脂・ミネラル等)を取り除くクリーニングのメニューです。着物の汗取り(あせとり)と呼ぶこともあります。
着物の汗抜き・汗取りはご自宅でも行うお手入れですが、着物専門クリーニング店ではさらに効果的に繊維から汗の成分を取り除き、着物をサッパリとした状態に蘇らせます。
着物丸洗いでは汗の汚れは落ちません!
「いつも着物や長襦袢はクリーニングに出しているから大丈夫」
…でもそのクリーニングのメニュー、「着物丸洗い(京洗い)着物丸洗い(京洗い)着物丸洗い(京洗い)」ではありませんか?洋服で言うところの「ドライクリーニング」である着物丸洗いでは、汗の汚れを十分に落とすことはできません!
丸洗いでお手入れをしたはずの着物が数年後には変色する…こんなトラブル、実は珍しくないのです。
汗汚れは輪ジミ・黄変の原因に!
着物に残った汗の成分(マグネシウム等のミネラルや塩分)は、時間が経つごとに少しずつ酸化して繊維や染料を変質させます。これが着物にできる変色シミ「黄変(おうへん)」の原因です。
長く保管した着物にできる黄色い変色・茶色っぽいシミの原因は、ほとんどがこのような「汗汚れ」の残り。着用後に陰干ししただけで着物を保管した場合、早いと1~2年程度で茶色っぽいシミや変色が起こってしまうのです。
こんな時には着物・長襦袢の汗抜きがおすすめです
・単衣や夏着物のお手入れに
・着物を脱いだら着物や長襦袢に汗の輪ジミができていた時に
・着物や長襦袢が汗でしめっていた時に
・暖房の効いた宴会場や結婚式場等での着用後に
・着物でお食事を召し上がった後に
・着物でお酒を召し上がった後に
・着物でたくさん歩いた時に
・シーズンの終わりのお手入れに
着物の中は意外とムレています!
着物の汗汚れというと、8月等の真夏だけの問題だと思っていませんか?確かに、着物の汗汚れがもっとも付きやすいのは夏のシーズン。しかし実は、冬や春にも着物の「汗汚れ」の問題は起きるのです。
暖房の効いたお部屋で温かい食事を食べたり、お酒を呑んで体温が上がったり、人前で喋って緊張したり…ふだんの洋服であればそこまで汗をかかないシーンでも、空気が溜まりやすい着物の中では汗ムレが起こっています。少しでも「暑いな」と感じたら、それは汗ムレのサインです。
たっぷり汗をかいた後にはすぐに汗抜きを!
着物の着用中にハンカチで汗をぬぐうほど暑かった、着物を脱いだら汗で長襦袢や着物がしめっていた…こんな時には、できるだけ早めにクリーニングにお持ち込みください。時間をおかずに汗取りの処理をすることで、着物の生地のダメージも最小限に抑えることができます。
長期保管の前にも「着物汗抜き」が安心
「この着物は次のシーズンまでは着ない」「振袖はなかなか着る機会が無いし…」しばらくタンスにしまうつもりの着物は、保管の前に汗抜きをしておきましょう。
汗抜きをキチンとしてから適切に保管をすれば、数年後の着用のときにも変色の心配なくキレイに着物を着ることができます。
『ふじぜん』の着物汗抜き工程のご紹介
1.事前の点検
着物クリーニング専門の職人が、着物の生地の種類や加工の状態等をすみずみまでチェック。汗取りをしても生地が傷まないか、他のシミができていないか等、細かく検査を行います。
2.洗浄
当店独自の特殊な洗浄液を吹付け、着物を適度に濡らしていきます。汗染みの状態によってブラシや刷毛の種類や大きさを使い分け、職人がすべて手作業で行います。
3.吸い取り
柔らかな布やタオルを使い、汗の成分を優しく吸い取っていきます。洗浄と吸い取りを何度も繰り返すことで、少しずつ汗の成分が繊維から取り除かれます。根気と手間の必要な作業です。
4.乾燥
乾燥室に干して一昼夜、着物をしっかりと乾かします。繊維の奥の水分までしっかりと取り除くことで、ご自宅での保管中のカビ等のトラブル防止になります。
5.プレス仕上げ
生地の表から裏へとていねいにアイロンをかけ、着物の形を整えます。職人の手業でキレイに整えられた着物の生地は、本来のやわらかさとしなやかさを取り戻します。
6.タトウ紙の交換
クリーニングを完了した着物をお渡しする際には、着物を包むタトウ紙(文庫紙)も新しいものに交換します。タトウ紙を新しくすることで、ご自宅での保管中の湿気取り効果もアップ。お渡しした着物は、そのままの状態でタンスにしまっていただけます。
着物の汗抜き料金表
着物 (留袖・振袖・訪問着・付け下げ等) | 4,400円(税込) |
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長襦袢 | 4,400円(税込) |
※料金はすべて税込価格となります。
※帯・肌着・その他和装小物の汗抜きをご希望の場合にはお問い合わせください。
着物の汗抜きのお預かり期間・日数
7日~14日
※繁忙期には通常よりお時間をいただく場合がございます。
※シミの状態によっては、納期が延びる場合がございます。
※お急ぎの場合にはご相談くださいませ。
汗抜きについての よくあるご質問
- Q.着物の丸洗いと汗抜きの違いは何ですか?
- A.一般的な「着物の丸洗い(京洗い)」とは、溶剤を使用した機械洗いのことを意味しています。洋服の場合のドライクリーニングと同じです。丸洗いは石油系溶剤を使ったクリーニングであるため、皮脂等の油溶性の汚れを落とすことはできますが、汗の水分汚れはキレイに落とせません。これに対して当店の「着物の汗抜き(汗取り)」は、特殊な洗浄液と水分を吹きかけて、汗の成分を何度も丁寧に吸い取っていきます。汗に含まれるミネラル・塩分等の成分を取り除くために適したクリーニング方法です。
- Q.着物の丸洗いと汗抜き、どちらを選べば良いですか?
- A.丸洗い・汗抜き等のクリーニングメニュー選びでは、着物や長襦袢の汚れの状態や、今後の着用予定に合わせて選ぶことをおすすめしております。
・汗以外のシミ・汚れがほとんど無い→汗抜き
・汗汚れ以外に、襟元の化粧品の汚れ・食べこぼし等がある→丸洗い+汗抜き
・汗汚れは特に無く、数回着用した後のお手入れをしたい→丸洗い
・今後しばらく(1年以上)は着る予定が無い→丸洗い+汗抜き
原則として「汗で汚れたと感じた時」と「長く保管する前」には、汗抜き処理をしておいた方が安心です。なおお客様の着物に最適なクリーニングメニューについては、メールでもお問い合わせを受け付けております!プロの着物診断士がご案内しますので、お気軽にページ下のお問い合わせフォームをご利用ください。 - Q.見た目には着物が汗で汚れたかどうかがわかりません。
- A.おっしゃるとおり、汗の汚れは乾いてしまうと見た目にはなかなかわからないものです。帰宅して着物を脱いだ時の様子や、その後のシワの状態等を目安とすることをおすすめします。
・着物を脱いだ時、長襦袢や着物の色が変わるほど(汗染みが目に見えるほど)汗をかいていた
・着物を脱いだ時、長襦袢や着物の裏側がシットリと湿っていた
・着物を脱いで半日以上はハンガーに干したのに、シワ(着ジワ)が取れない
特に「着シワがクッキリ付いている」という場合は要注意です。着物の生地は、水分が多く含まれた状態(ムレている時)ほどシワが深く付き、そのまま乾くとシワが取れにくくなります。「陰干しをしてもシワが取れない」という場合、着用中にかなり汗をかいていて、着ている間に乾いてしまった…という可能性が高いのです。着物はふだん着ている洋服に比べ、空気がこもりやすく汗をかきやすい傾向があります。着用中に「暑いな」と感じた場合、特に長襦袢には「汗汚れが付いた」と考えておいた方が良いでしょう。 - Q.汗抜きの頻度はどれくらいが良いのですか?
- A.目立つ汗汚れを感じずに、定期的なお手入れをしたいという場合には、「数回の着用ごとに1回」「季節の終わり(着物をしまう前)に1回」といったペースで大丈夫です。夏の屋外での着用等で汗をタップリかいた場合や、汗濡れが目で見えるほど、触れると湿っていたほど…といった場合には、着用後にできるだけ早く汗抜きクリーニングをすることをおすすめします。
- Q.帯も汗抜きをした方が良いのですか?
- A.よほどの汗の量でなければ、帯まで汗抜きが必要となるケースは少ないです。しかし以下のような場合、帯の汗取りをした方が良い場合もあります。
・帯を外した時に、背中に触れていた面の色が変わるほど汗濡れしていた
・帯を外した時に、背中の面がシットリと濡れていた
・着物を脱いだ時に、着物の背中の「表側」までがシットリ濡れていた
「帯を汗抜きした方が良いかわからない」とご不安な場合には、一度当店までお気軽にご相談くださいませ。 - Q.汗ジミを放っておいたら着物が黄色っぽく(茶色っぽく)変色してしまいました。汗抜きをすれば取れますか?
- A.汗染みの状態やシミができてからの時間等によっては、「汗抜きクリーニング」だけでは着物のシミが取れない場合があります。この場合には、別途「シミ抜き」の作業が必要です。
着物の状態・シミの大きさによっても最適なクリーニングのメニューは変わります。一度当店に着物を着物を持ち込むか、宅配便でお送りいただければ、着物の状態をチェックした上でお見積りやメニューのご案内もいたします。
当店でのご相談やお見積りは無料ですので、メニューに迷った時にはお気軽にご相談ください。メール・LINEの他、フリーダイヤルの電話でもご相談を受け付けています。