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アンティーク着物やオークション購入に注意!購入前にするべ6つのチェックポイント

アンティーク着物

着物ブームの到来によって注目を浴びているアンティーク着物。また最近では、リサイクルショップやネットオークション・フリーマーケット等で着物を買う人も増えていますね。「新品購入をするよりずっと安い」「今では売っていない色柄がある」といった点がアンティーク・リサイクル着物の魅力。でも中には「中古の着物を買って失敗した…」という人も居るようです。

アンティーク着物やオークション購入等の場合、呉服店等での新品購入の時よりも、サイズや着物の状態等をしっかりチェックしていくことが大切になります!ここでは購入前にチェックする6つのポイントをご紹介していきましょう。

 

自分の着物サイズは知っていますか?

着物は洋服とは異なり、「S/M/L」「9号/11号」といったサイズ表記の区分けが無いですよね。また着付けで丈の調整がある程度できるため、「着物にはサイズが無い=どの着物も着られる!」と感じてしまう方も多いようです。でも実際には、着物にもしっかりと「サイズ(寸法)」の違いがあるんですよ。まずは以下のサイズ表記について知っておきましょう。

1)身丈(みたけ)
身丈とは、着物の襟の後ろ側中央部から裾までの長さを示すサイズのこと。着物の「タテの長さ」ですね。女性の着物では着付けの際に「おはしょり」という折り重ねる部分を作ります。

そのため「身丈」は「着丈(実際に着た時の着物の長さ)」よりも長くないといけません。身丈は概ね「身長の高さ」と同じくらいが必要です。アンティーク着物の場合、昔の日本女性は全体的に小柄でしたので、今だと「身丈が短め」というケースが多いようです。

2)裄丈(ゆきたけ)
裄丈とは、背中の中心部(背縫い部分の上部)から袖先までの長さのこと。「肩幅の半分+袖の長さ」ととほぼ同じです。裄丈の採寸(サイズ測定)着物の場合、首の後ろのグリグリとした部分~手首までの長さを「手を水平~斜め45度に上げた状態」で行います。

なお洋服の場合、裄丈は「手を完全に下ろした状態」で図ります。洋服向け採寸の方が裄丈が6センチ~8センチ以上も長いので「洋服向けサイズ」でのサイズ確認をするのはNGです。

ただ現代の女性は昔に比べて手が長い方・肩幅がある方が多いので、アンティーク着物ですと裄丈が足らない傾向が見られます。

3)身幅(みはば)
身幅には、前身頃の幅である「前幅(まえはば)」と、後ろ身頃の中心(背縫い部分)~端までを表す「後ろ幅」があります。後ろ幅の約2倍の長さが「着物のヨコの長さ」というわけです。女性の場合、もっとも身幅を取るのはヒップサイズ。

後ろ幅を4倍にした長さとヒップサイズを比べて、2~3センチ程度の差であれば着付けである程度の対応が可能です。しかし「5センチ以上ヒップサイズより数値が小さい」という場合、お着物の前がはだけやすくなります。

4)袖丈(そでたけ)
洋服の場合の「袖丈」は肩~袖口の長さを指しますが、着物の場合には「肩~袖の下部分まで」のタテの長さを示します。現在の着物の場合ですと、袖丈は49~50センチ前後というのが標準。しかしアンティーク着物等の古い着物にはこのような標準値が無く、着物によってマチマチです。

 

これから一式を揃える人は「身長」を目安に

着物には上記のような様々なサイズがありますから、本来はじっくりとサイズチェックをしたいところ。でも例えばフリーマーケット・骨董市等ですと、サイズを丁寧にチェックすることが難しい…という場合もありますね。まだ長襦袢等の小物類を持っておらず、これから全てを揃える方の場合、概ねのサイズ目安は「自分の身長」で考えるようにしてみましょう。

1)着物の身丈(タテの長さ)が自分の身長と同じくらい
→身丈には問題無い可能性が高いです。できれば裄丈(肩幅)・袖丈のバランスもチェックしておくとより安心です。

2)着物の身丈が自分の身長より5センチ程度長い
→着付けの際のおはしょりで着丈はある程度調整できます。またアンティーク着物の場合、5センチ程度長めの方が、現代の女性に合った裄丈・身幅がある可能性も高いです。「ちょっと大きめくらい」であれば大丈夫というわけですね。

3)着物の身丈が自分の身長より5センチ以上短い
→そのお着物のキレイに着るのはかなり難しいところ。購入をあまりおすすめできません。

小さい着物だと「おはしょり」が足りない

女性の着物では、着付け時にウエスト部(帯の部分)に「おはしょり」という畳み重ねる部分を作ります。身丈が短い着物ですとおはしょりが極端に短くなる(もしくはおはしょりが作れなくなる)ため、見た目にも悪い状態に。おはしょりを無理に作ると今度は裾の部分が短くなり、足首がニョキッと出た不自然な着付けになってしまいます。

着物初心者には「対丈」は不向き

着物には「対丈(ついたけ)」というおはしょり無しで着る着付け方法もあります。しかしこれはカジュアルな着方で、留袖・訪問着・振袖といった「礼服(フォーマル服)」の着付け方には適していません。フォーマルで着物を着る場合には、おはしょりは必要というわけです。

また小紋・紬等の着物をカジュアルに対丈で着る…という場合、着付けにかなりのテクニックを要します。対丈はおはしょり有りの着方に比べて「着崩れ」をしやすく、前がはだけてくる・帯部分がゆるむといったトラブルが起きやすいのです。そのため「まだ着物に慣れていない」という方の場合、身丈が短い着物を無理に「対丈」で着ない方が無難です。

 

長襦袢がある人は「長襦袢のサイズ」を要チェック!

既に長襦袢(ながじゅばん)をお持ちで、買う着物の中には決まった長襦袢を合わせる予定…という方は、まず最初に長襦袢のサイズ(身丈・裄丈・袖丈)を必ず図りましょう。

また長襦袢が既にお決まりの場合、上記のような「身長によるざっくり目安」での着物の購入はおすすめできません。必ず着物の全てのサイズをチェックして、長襦袢に合わせられるかを確認する必要があるんです。それには以下のような理由があります。

身丈が短い着物だと長襦袢が裾から出る

ご自分の身長よりも身丈が短い着物の場合、おはしょりを小さめにするか対丈(おはしょり無し)で着ることになりますね。いずれにしても身丈小さめのお着物の場合、どうしても「自分サイズにピッタリ」の着物に比べて着丈が短くなりがちです。ところが長襦袢はおはしょり等で調整できないので、小さい着物の裾から長襦袢がズルっと出てしますことになります。

裄丈が短いと長襦袢が袖口から出る

「長襦袢の裄丈>着物の裄丈」の場合、袖口から長襦袢が完全に出てしまうことになります。長襦袢は「袖を動かした時にチラリと見えるインナー」なので、完全に出てしまうのはNGです。

裄丈が長過ぎると身八つ口から長襦袢が出る

「長襦袢の裄丈<着物の裄丈」で、長襦袢の方があきらかに小さい(着物が大きい)という場合、身八つ口(みやつくち・着物の脇にある開き口)の部分から長襦袢が飛び出しやすくなります。

袖丈が短すぎると長襦袢が中で折れる

「長襦袢の袖丈>着物の袖丈」の場合、長襦袢が着物の袖の中に収まりきらず、中で不格好に折れ曲がることになります。

長襦袢と着物のサイズが合っていないと、着た時の見た目がとても不自然になります。「どうしてもこの着物が気に入ったから来たい!」という場合には、新たに長襦袢を用意されるか、現在の長襦袢のサイズ直しをする必要が出てくるというわけです。

 

カビっぽくない?見た目と匂いでしっかり確認

アンティーク着物やフリマ・オークション等で中古着物を購入する場合、もっとも気をつけたいのが「カビ」の存在です。特に正絹(シルク)はデリケートな天然素材で、カビの温床となりやすい傾向があります。桐箪笥に入れる・和装専用の除湿剤を入れる・タトウ紙にしまう・定期的に虫干しをするといった対処をせずに長期保管された着物の場合、カビが生えている確率がかなり高くなってしまうのです。

「一度しか着ていない」という着物でも、着用後に汗取りやシミ抜き等をきちんと行わずに長期保管していた場合、カビの温床となることがあります。「未使用だから」「着用回数が少ないから」といった点のみで判断せず、しっかりとカビの確認をすることが大切です。

着物のカビを見た目でチェック!

着物のカビは、カビが繁殖してからの期間等によって見た目が異なります。

1)表面に白い点がある
着物の表面にポツポツとした白いカビが繁殖した状態です。繁殖量が多い場合、表面に盛り上がるようにフワフワと生えていることもあります。表面のカビははたくと落ちますが、既に繊維の奥にカビ菌が入っているため、自宅ケアではその後も何度もカビが生えてきます。この段階でも専門店でカビ取りクリーニングを行わなくてはなりません。

2)着物の色が脱色・変色している
着物の一部の色が抜けている、柄の一部の色がおかしい…このような場合、カビによって脱色・変色が起こっていることがあります。カビによる脱色・変色がある場合、専門店で「カビを取る」だけでなく「色直し」の修復が必要です。脱色範囲や着物の地色等によっては、修復ができない場合もあります。

3)黄色っぽい点々がある
生地の白い部分が黄ばむ「黄変」には、絹等の素材の酸化によって起こるものと、カビによって起こるものがあります。黄色~オレンジ色~茶褐色の「点々」が白~薄地の着物に見られる場合、カビによる黄変である可能性が高いです。カビによる黄変は着物の裏地(胴裏)、帯等でよく発生します。こちらもカビ取り・シミ抜きの専門クリーニングを行う必要があります。

4)黒っぽい点々・斑点がある
払うと見た目には落ちる白カビとは異なり、「青(緑)~黒」のカビは払っても落とすことができません。またカビによるシミの色味が濃いため、着物の地色によっては専門業者でもシミを元のようにキレイに戻せないことがあります。

ほんの少しのカビでも、放置をすればカビ菌はどんどん増えていきます。少しでも上記のような異状が見られる場合、和装クリーニングに対応した業者にカビ取りを依頼しなくてはならないんです。購入時には着物の裏側や袖口、裾等の細かい部分まで入念にチェックしましょう。

着物のカビを「匂い」でチェック!

上記のとおり、カビの第一段階とも言える「白いカビ」は叩き落とす(掻き出す)と見た目には「カビがない状態」を作ることができます。そのため中古着物の販売業者によっては、きちんとしたカビ取り作業を行わず、表面のカビだけ取って販売をする…というケースが少なくないようです。

このような「一見するとカビが生えているかがわからない」という着物を見分けるには、「匂い」を嗅ぐのが大切!少しでも「カビ臭さ」を感じる場合、繊維の奥にカビ菌が居る可能性が高くなります。フリーマーケット・骨董市・リサイクルショップ・中古着物取扱の実店舗等で着物を購入する場合には、必ず手にとって着物の匂いを確認してください。

なおインターネット上のオークション・フリマアプリ等ですと、このような「匂いでのチェック」ができませんね。出品者の評価等をよく確認して、きちんとした保管を行っている業者を選ぶことが大切です。

 

シミがある時には「シミの場所」にも注目

「シミ・汚れありなのでお安くします」…アンティーク着物やオークション着物・リサイクル着物等ですと、こんなウリ文句も良く目にしますね。でもシミや汚れがある場所等によっては、「着たらやっぱりシミが目立つ」「シミの色が変わってきた」なんてことも。「シミ有り着物」の時には、シミの部分にもよく着目してみましょう。

着物のシミ・汚れが目立つ箇所とは

店舗で手に取った時には「気にならない場所かも?」と思っても、実際に着てみると他の人からシミがよく見えてしまう…ということ、着物では意外と多いです。特に以下のような部分にシミがあると着物の粗が目立つことになります。

・柄の無い部分(地色の部分)
・襟の後ろ側
・背中の上部(帯の上側の部分)
・胸元
・袖口
・裾周り 等

実際に着付けをするイメージで着物を羽織らせてもらい、「着用時にシミがどこに来るのか」をよく確認した方が良いでしょう。

要注意のシミとは

特に以下のようなシミ・汚れがある着物の場合、購入にはかなりの検討が必要です。

  • 襟周りの白っぽい汚れ→ファンデーション汚れの可能性が高い。自宅での汚れ取りは困難。
  • 胸元のシミ、帯のシミ→食べこぼし・飲み物・食べ物・母乳等のハネである可能性が高い。カビ・虫食い等の温床となる。
  • 胴裏の汚れ→汗染み(汗ジミ)である可能性が高い。カビ、黄変の原因となりやすい。

アンティーク着物やリサイクル着物の場合、シミ・汚れが付いてから時間が経ってるので、洗えるポリエステル着物等でもご自分でシミ抜きを上手にするのは非常に難しいところ。また素材が正絹の場合、ご自宅での汚れ取り・シミ抜きはできません。シミ抜きを和装専門の業者に依頼する必要が出てきます。

 

古い着物は意外と高くつく?

アンティーク着物・リサイクル着物等の上記のようなトラブルについては、和装専門のメンテナンスを行う「悉皆屋(しっかいや)」や、和装専門のクリーニング業者等である程度対応することが可能です。

ただ着物のお直しやシミ抜きの場合、お直し作業は洋服とは異なりすべて「手作業」となります。洋服の裾直しのようにミシンでサッと縫う、工場でまとめて作業…といったことができません。そのためお直しには時間もかかりますし、手間がかかる分だけの料金も発生します。

【着物メンテナンス業者で行われているサービスと料金相場】

  • 着物のサイズが合わない(着物が小さい)→縫込み部分があれば、縫込みを出してサイズを大きく(20,000円~40,000円台円・裄丈も直す場合は別途料金が必要)
  • 長襦袢のサイズが合わない→長襦袢のお仕立て直し(裄丈13,000円~20,000円台、着丈・袖丈を直す場合は別途料金が必要))
  • 着物や帯にカビが生えている→着物・帯のカビ取り(8,000円~10,000円台)
  • 着物の胴裏(裏地)にカビ・シミがある→胴裏の交換(30,000円~50,000円)
  • 着物・帯にシミがある→原因に合わせたシミ取り・シミ抜き(1箇所あたり500円~1,500円・シミの大きさ・状態により異なる)

※料金相場は状態や業者によっても異なります。

古いシミ・大きなシミ等の場合、作業が複雑になる分だけ料金が上がります。「アンティーク着物を買った価格より、シミ抜きの方が高くつく」という可能性も出てくるんです。「ちょっとサイズが合わない」「シミが気になる」という時、専門業者に依頼する料金のことも考慮しておきたいですね。

おわりに

「安く着物のおしゃれができる!」というのが魅力のアンティーク着物・リサイクル着物。でもサイズや状態を確認しないと、着物の素敵なオシャレが楽しめなかったり、他のお着物やお洋服にまでカビ・虫害といったトラブルが拡大してしまうこともあります。価格・安さだけに着目せず、自分の体に合った状態の良い着物をじっくりと選ぶことが大切です。

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