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着物の草履・下駄のサイズの選び方、失敗しない4つのポイント

着物・和装で忘れてはいけないのが、足元の「草履(ぞうり)」。また浴衣を着る時には、更にカジュアルな「下駄(げた)」を着用するのが一般的ですね。でもこれらの草履や下駄、洋服の時に履く靴とは「サイズの選び方」が全然違うって知っていましたか?靴と同じ感覚で草履サイズを決めてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうんです。今回は草履・下駄のサイズ選びについて、失敗しないためのポイントを4つ紹介していきます。

1.草履サイズは「小さめを選ぶ」が基本

洋装の「靴」の場合、自分の足よりも小さい靴を選ぶということはありえませんよね。靴は足全体を包むものですから、小さすぎるサイズを選ぶと足が靴の中で詰まってしまい、痛くて歩くことすらできないでしょう。ところが…和装の「草履・下駄」の場合は、かなり「小さいサイズ」を選ぶのが基本なんです。

もっとも美しく見えるサイズは、履いた状態(鼻緒に足を入れた状態)で自分の足の踵(かかと)が、草履の後ろより1センチ程度はみ出るサイズとされています。

着物に慣れている人、お茶等を習っている人等の場合、美しく着物を着るために概ね「踵より0.5センチ~1センチ小さい」というサイズを選ぶ方が多いです。

 

2.初心者は「踵と草履がピッタリ同じサイズ」にしてみよう

「よし、じゃあ踵1センチ小さいサイズを買いにいこう!」と思った人、ちょっとだけ待ってください。ふだん和装をしない人、草履や下駄を履き慣れない人の場合、1センチも小さいサイズは辛いかもしれません。草履は本来やや前方に力を入れて履くものなのですが、履き慣れない人だと後方に力を入れてしまいやすいんです。そのため踵の部分に草履の後ろの端が食い込んで、「歩くたびに痛い…」となってしまうこともあるんですね。1センチ小さいサイズの草履は、靴で言えば「6センチ~7センチのハイヒール」のようなもの。歩くのが辛そうでではないですか?小さな草履は見た目には美しいのですが、慣れていない人だと歩きにくいのです。

これから着物にチャレンジする・初めて草履や下駄を自分で選ぶ人は、「草履を履いて、踵と草履台の後ろの端がピッタリ同じ」というサイズを選びましょう。これなら見た目にもみっともなくありませんし、足も痛くなりにくいですよ。

 

3.「草履サイズが少し大きい」は絶対NG!?

「ちょっと大きい草履ならあるんだけど、これじゃダメ?」…残念ですが、おすすめすることができません。これには以下のような様々なデメリットがあるためです。

子供っぽく見える

大きすぎる草履を履いた姿は、本人が思っているよりもずっと子供っぽく見えます。草履や下駄は鼻緒(はなお)という部分のみで足を固定して、踵は一切固定されていない状態です。そのため大きすぎる草履・下駄を履くと、小さい子どもが大人の靴を無理に履いているように、パカパカとさせながら歩く姿に見えてしまうのです。また上から見た時に草履台の後ろが完全に見える様子は、立ち姿でも意外と目立ちます。せっかく美しく着物を装ったのに、足元が子供っぽく見えるのではもったいないですよね。

着崩れしやすい

サイズが大きい草履ほど、足裏と草履台の間がパカパカと空きやすいもの。そのため、この隙間に着物の裾がはさまりやすくなります。特に結婚式・葬儀・入学式等に着用する留袖や訪問着等の礼装の場合、くるぶしをしっかりと隠すように裾を長めに着付けるので、裾を踏んでしまいやすいです。

裾を踏むとどうなるか?というと、まず最初に考えられるのが「着崩れ」。裾の後ろ側に急速に力がかかるため、帯の下のおはしょり部分に圧力がかかり、裾がズルリと長く出てきてしまうことも考えられます。裾が出てくることで余計に裾を踏みやすくなる…という悪循環になってしまうんです。

転びやすい

着崩れをするのもとても困りますが、もっと危ないのが裾を踏んづけたことによる転倒です。特にふだん着物を着慣れない人の場合、着物の脚さばきは難しいもの。階段やちょっとした段差等でもバランスが取りづらく、洋服の時よりもずっと転びやすい状態になっています。また最悪の場合、袖等が絡みついて上手に手がつけず、顔や腕等にケガをしてしまう恐れも。着物に慣れない人ほど、きちんとサイズ選びをすることが大切なのです。

足音が立ちやすい

特に下駄の場合、大きなサイズを履くと必要以上にカランコロンと大きな音が立ってしまいます。昔の土の道であれば音が立つこともほとんどありませんが、現代のアスファルトの道や駅等の施設では、驚くほどに音が鳴り響くケースが珍しくありません。悪目立ちして恥ずかしい思いをした…という人も多いようです。

 

4.初めての草履・下駄選びは店頭で!

上記のとおり、初めての草履・下駄選びでは「自分の踵(かかと)と下駄の台の後ろ」がピッタリと同じものを選ぶのがおすすめです。ただしこのように「ピッタリのサイズ」を選ぶためには、実際に履いて確かめるしかありません。「24センチ」といった数字だけでは、サイズ選びに失敗してしまう可能性が高いのです。

これは草履によって鼻緒の硬さが違うことや、指や甲の高さに個人差があるため。本来、草履は鼻緒にあまり趾(あしゆび)を入れずに歩くのが美しいとされていますが、初心者の場合にはそうも言っていられません。しっかりと足の指を入れて固定させておかないと、慣れない草履が余計にあるきづらくなってしまいます。すると草履の鼻緒のゆるさ・硬さや指の太さ等で「足がどれだけ前に行くのか」が変わり、「ピッタリサイズ」だったはずが「大きめサイズ」になってしまうこともあるのです。

特に初めて草履・下駄を選ぶ人の場合、今までの「靴」の感覚でサイズを検討してしまうことが多く、これがサイズ選びの失敗の元となりがち。店頭であれば適切なサイズをすぐに店員さんに持ってきて貰えますが、通販となるとサイズ変更や返品も大変です。無料で草履のサイズ変更してくれる良心的なお店もありますが、それでも一手間はかかりますね。また最悪の場合には返品やサイズ変更ができず、合わない草履を無理して履くことになってしまいます。

ネットショッピング等の通販は価格も安く便利なのですが、草履・下駄等の履物類にはあまり適さないことが多いです。特に履物選びに慣れない頃には、店頭でサイズを確認することをおすすめします。

 

おわりに

着物や浴衣は「着付け」でサイズの調整がある程度できるため、貸し借り等も比較的しやすいもの。そのため「草履や下駄は踵も無いし、サイズはそこまで厳密ではない」「貸し借りもしやすい」と誤解をしている人も少なくありません。しかし草履・下駄等の履物類は、意外とサイズ選びが厳密です。ほんの少しサイズが違うだけでも見た目の美しさ・快適さが変わります。正しいサイズ選びのポイントをしっかり抑えて、見た目もキレイで安全・快適に歩ける草履・下駄を選びましょう!

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


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