七五三・ハウツー

七五三の準備と持ち物 これで完璧!意味やポイントも解説

七五三の準備はお済みですか?「着物は買った!」「自分の昔の七五三着物を着せます!」等、着物の準備はできていても、足袋や草履を忘れていた…という人も意外と多いものです。また七五三着物は肩上げしたり、半衿をつけたりと、様々な準備をしておく必要があります。

ギリギリになって慌てないようにきちんと準備をすすめておきましょう。

吉原ひとし
吉原ひとし
こんにちは。創業明治三九年 四代目 ふじぜん 吉原ひとしと申します。着物を専門に取り扱うクリーニング店の店主をさせていただいております。ここでは七五三の準備や持ち物について、詳しくポイントを解説していきます。

3歳の女の子の七五三準備・持ち物

まずは3才の女の子向けの持ち物から観ていきます。

外側から見える着物とその他パーツ

  • 着物(一ツ身):小さい子向けの着物。お宮参りの掛着・初着を転用できる。
  • 伊達襟(だてえり):着物を華やかに見せる重ね衿
  • 被布(ひふ):着物の上に重ねて着るベストのようなもの。
  • 長襦袢(ながじゅばん):着物の中に着る「見せインナー」。
  • 半衿(はんえり):長襦袢に縫い付けて、衿元からチラリと見せます
  • 兵児帯(へこおび):柔らかい帯。着付け方法によっては付けません。

アクセサリーと持ち物

  • 髪飾り:かんざし等。
  • 巾着(きんちゃく):キュッと絞るタイプの布バッグ。

足元

  • 足袋(たび):和装向けのソックス。
  • 草履(ぞうり):和装なおかつ礼装向けの靴のこと。3歳は転びやすいので低めの履きやすいタイプがおすすめ。

着付けのためのもの

  • 肌襦袢(はだじゅばん):一番内側に着るインナー。肌着。
  • 腰紐(こしひも):着付けのために使う。3本~5本は必要。
  • タオル1~2枚:着付けの際に形を整えるために使います。

7歳の女の子の七五三準備・持ち物

7才の準備は一番たいへんです!荷物が多いので、しっかり準備をしておきましょう。

外側から見える着物やその他パーツ

  • 着物(四ツ身):小学生くらいの子ども用の振袖
  • 伊達襟(重ね衿):着物を華やかに演出する重ねえり。
  • 長襦袢(ながじゅばん):着物の中に着て、袖からチラリと見える「見せインナー」。
  • 半衿(はんえり):長襦袢に付けて、衿元から見せる。
  • 帯(袋帯、または作り帯):着付けで結ぶ袋帯か、最初から形ができている作り帯がある。
  • 帯揚げ(おびあげ):帯の上に結ぶ飾りの布。
  • 帯留め(おびどめ):帯を巻いた上から結ぶ飾りの紐。
  • しごき:帯の下に巻く飾りの布。

アクセサリーと持ち物

  • 筥迫(はこせこ):昔のポーチのようなもの。胸元にさして見せるアクセサリー。
  • びらかん:かんざしの一種。ただし髪にはささないで、筥迫にさして飾りにします。
  • 扇子(せんす):これも帯にさします。これもアクセサリーなので開きません。
  • かばん・バッグ:これも基本は「持つ飾り」です。
  • 髪飾り:かんざし等。

足元

  • 足袋(たび):和風の靴下、ソックス。
  • 草履(ぞうり):和装の靴。7歳なら厚底ぽっくりタイプが人気。

着付けのためのもの

  • 肌襦袢(はだじゅばん):一番下に着るインナー。汗取り。
  • 腰紐(こしひも):着付けに使う。本数は着付け方法で違うので要確認。
  • 伊達締め(だてじめ):衿元の乱れ防止に使います。
  • 帯板(おびいた):帯に入れて形を整えます。
  • 仮帯(かりおび):帯を締める時に使います。作り帯なら不要。
  • 帯枕(おびまくら):帯の形をキープするために使います。作り帯なら不要。
  • タオル:着付けの時に体に巻いて形を整えます。

3歳5歳男の子向けの準備と持ち物

次は男の子向けの準備です。地域によっては持ち物等が増えることもあるので、地元の方等に確認を取っておくと良いですよ。

外側から見える着物とその他パーツ

  • 着物(一ツ身または四ツ身):3歳なら掛着や初着を転用可。5歳は初着だと小さいので、体に合った大きさのものの方が良いです。
  • 長襦袢(ながじゅばん):着物の中に着る「見せインナー」。
  • 半衿(はんえり):長襦袢に縫い付けておき、衿元からのぞかせる衿です。
  • 羽織(はおり):着物の「上着」。家紋付きの柄入羽織を着ます。
  • 袴(はかま):和装の男性向けのボトム。3才の場合だと、袴を省略して、かわりに被布を着せるスタイルも人気になっています。
  • 角帯(かくおび):男の向けの帯です。

アクセサリーと持ち物

  • 懐剣(かいけん):袋に入った守り刀です。帯と袴の間にさしこんで袋を見せます。
  • 羽織紐(はおりひも):羽織につける前を留めるための紐。事前に羽織に付けておきましょう。
  • 扇子(せんす):これも懐剣と一緒に帯にさすアクセサリーです。

足元

  • 足袋(たび):和装用のソックス。礼装だと白が基本です。
  • 雪駄(せった):和装用の上品な履物です。

七五三の準備のポイント

礼装用の着物である七五三着物を着るには、あらかじめ様々な準備が必要です。事前にやっておくべき準備を見ていきましょう。

しつけ糸やタグ・袋はすべて取っておく

  • しつけ糸 → 着物、袴、羽織
  • タグ・袋 → 小物類や着付け用のグッズ等

新品の着物には、移送中にシワが寄らないように「しつけ糸」でざっくりと縫い留められています。これらはすべて切って外しておきましょう。また小物類等の袋やタグはすべて取っておきます。

肩上げをしておく

  • 7歳・5歳・3歳着物(男女とも)
  • 7歳・5歳・3歳長襦袢(男女とも)
  • 男の子の羽織

「肩上げ」とは元々は、小さな子どもの体のサイズに合わせ、大きな着物をサイズ調整することを言います。現在では「これからもっと子どもの体が大きくなりますように」という祈りを込めて、わざと肩上げをしています。着物・長襦袢・羽織にはすべて肩上げが必要です。

呉服屋さん等で新品をお買い上げの場合だと、原則として肩上げをした状態でお届けされます。

袖に丸みをつける、紐を取る

  • 3歳着物(男女とも)
  • 3歳長襦袢(男女とも)

お宮参りの時に使った初着(掛着)を3歳の七五三祝に使う場合には、袖の下の角の部分が丸くなるように縫います。また、初着についていた紐は外しておきます。

長襦袢に半衿を縫い付ける

  • 7歳・5歳・3歳長襦袢(男女とも)

半衿(半襟)は長襦袢にあらかじめ縫い付けておきます。

着物に重ね衿をつける

  • 7歳女の子・3歳女の子(着付け等により異なる場合あり)

伊達襟(重ね衿)を着物に縫い付けておきます。レンタル着物等の場合、伊達襟があらかじめ縫い付けてあることが多いです。

草履や雪駄の鼻緒を広げる

  • 7歳・3歳草履
  • 5歳 雪駄

履物類には足の指をひっかける鼻緒(はなお)があります。この鼻緒の部分に大人が手の指を入れてグイッと外側に広げておきましょう。履く直前にももう一度広げた方が良いです。

これをやっておくと、鼻緒が広がってくれて「草履ズレ」が起きにくくなります。

足袋は予備を買っておく

天候の悪い日に外を歩くと一発で足袋が汚れます。またお子様の場合、大人の方より足袋が早く汚れやすいです。できれば2~3足程度の予備のストレッチ足袋を用意しておくことをおすすめします。

足袋や草履は練習を

足袋・草履は大人でも慣れていないと歩きにくいものです。小さなお子様だと「足が痛い」と泣いてしまうことも。事前に近所を歩くなど、足袋・草履の練習をしておくことをおすすめします。

おわりに

七五三の着物以外の持ち物や準備の情報はお役に立ちそうですか?

肩上げや半衿の縫い付けは、和裁の経験があればご自分でも比較的カンタンにできます。洋裁のみの方でも、お裁縫にとても慣れていればご自分でできることでしょう。

しかし「裁縫にはあまり慣れていない」という場合は、ムリに自分で対応するのはあまりオススメができません。万一左右の長さが違ったりすると、着付けの見栄えがとても悪くなります。着物加工店や和裁士等に相談してみましょう。

当店『着物ふじぜん』は元々、着物のサイズ直しや加工のお店としてスタートした専門店です。七五三着物の肩上げや紐の取り外し、袖の丸みつけ等でお困りのことがあったら、お気軽にご相談くださいね。

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


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