ご友人やご親戚などの結婚式に着物で参列をするのは喜ばれるものです。でも結婚式に着物で出るとき、洋装のときとは持ち物が少しずつ違うって知っていましたか?クリップなど、意外なモノが大活躍したりするんですよ。
目次
1.ご祝儀+ふくさ
結婚式に何より忘れてはいけないのはご祝儀ですね!キチンと新札を御祝儀袋に入れて用意しておきましょう。そしてご祝儀袋を入れておく「ふくさ」も忘れずに準備しておきたいところです。
着物姿なら「ふくさ」はキチンと
ネット情報の中には「ふくさはハンカチ等でも代用できます」と書いてあるので「用意しなくてもいいのか」と考える方も多いのではないでしょうか。でもこの「ハンカチで代用」は、特に着物で出席するような結婚式には、あまり推奨される方法ではありません。
例えばカジュアルな結婚式で、皆がTシャツやカジュアル服で集まります!というようなパーティであれば、ハンカチで代用でも良いでしょう。でも今回出席をされるのは、着物で行く結婚式ですよね。ホテルや結婚式場等、たとえ立席であっても、かなり「キチンとフォーマルな場」であることが多いはずです。
そしてあなたが着ていく着物も、留袖や振袖、訪問着等の「礼装(フォーマル服)」ですよね。服装がキチンとしたフォーマルなのに、ふくさばかりをハンカチで略式にするのは、どこかチグハグでケチったような印象を与えます。リーズナブルな価格なものでも構わないので、キチンと「ふくさ」を用意しておきましょう。
2.招待状
招待状も忘れずに持参すべきもののひとつです。後述しますが和装バッグは小さめのため、招待状が曲がったり折れたりしてしまうリスクも考えられます。心配な場合には硬めの素材のクリアファイル等を用意して、それに入れておくと、キレイな状態で受付に招待状をお出しできますよ。
3.ミニ財布+封筒
着物で結婚式に出る場合、荷物は最低限に小さくまとめたいところです。そのためお財布はできる限り小さめのものにすることをオススメします。結婚式自体には現金が必要になる場面はほぼありませんし、行き帰り等にも現在ではキャッシュレス決済ができるところが増えていますから、カードだけが入るようなミニ財布や、小さめのがま口等を用意しておくと良いでしょう。また次の項で詳しく説明しますが、二次会用のお金は封筒に別にしておくのがオススメです。
二次会用のお金は長封筒に
結婚式の日に現金が要りようになるシーンというと「二次会の受付」が挙げられます。このときに小さいお財布からクシャクシャに折りたたんだお札を出すのは、あまりスマートではありませんね。二次会の参加費は事前にピッタリと用意しておき、長封筒等に別にしておくのがオススメです。
4.スマホ
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現代では欠かすことができない持ち物がスマホですね。ご友人や同僚との結婚式等では、お友達同士で写真を撮るためにスマホを使いたいという人も多いのではないでしょうか。昔のカメラに比べればコンパクトなので、和装でも結婚式の撮影がしやすいありがたいアイテムといえます。
スマホカバーに注意を!
普段お使いのスマホカバーが次のようなものの場合には、結婚式の間だけカバーを取るか、別のカバーに切り替えておくことをおすすめします。
- 黒または黒に見えるような色柄のもの
- 毛皮のように見える色柄のもの(ヒョウ柄、ゼブラ柄等)
- ドクロ柄など、死を連想させるような柄行のもの
結婚式の服装についてはマナーに気を配る方が多いのですが、いつも持っているスマホのカバーについては見落としてしまいがちです。周りからはカバーの色柄がよく見えるので、気をつけておきたいですね。
5.バッテリー
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スマホでたくさん撮影をすると、バッテリーを消費してしまいがちです。結婚式に参列する際には、充電用のバッテリーを持っておくと安心ですね。ただ上でも触れましたが和装の時にはなるべく荷物を小さくまとめたいので、バッテリーはできる限り小型のものを選んだ方が良いです。
またはご友人と相談をして、洋装で荷物がある程度持てる人にバッテリー係をお願いする、といった方法も検討しておくと良いかもしれません。
6.ハンカチ
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フォーマルなお祝いの場では、いつも使っているようなタオルハンカチの使用はNGです。礼装用の白のハンカチ、または薄色のハンカチを用意しておきましょう。レース付きのものだと華やかな雰囲気になります。
ハンカチは着物に汚れをつけてしまったときなど、突然のアクシデントにも頼れる味方になります。汚れた時のことも考えて、複数枚を準備しておくと安心ですね。
7.大きめのハンカチか無地バンダナ
着物で結婚式に出席する時の持ち物にぜひ加えてほしいのが、大きめのハンカチか無地のバンダナです。これは何に使うのか?というと、食事の時の胸へのハネ防止や、手を洗う時の水ハネの防止等に使用します。
着物に慣れない人の場合、胸のあたりから帯の正面側に食べ物・飲み物のハネを作ってしまうケースがとても多いです。しかし食事に使うナフキンは膝の上に置くものですし、和食だとナフキン自体が出てこないこともあります。
そのため自分で汚れ防止をするために、ハンカチやバンダナを使うわけです。食事の時の着席時に帯の上に噛ませるようにしておくだけでも、万一の汚れをかなり防いでくれます。後述するクリップと組み合わせるのも手です。
ハンカチやバンダナの色は、黒や濃色を避けること。できれば着物の色味に近い淡い色のもので、無地を選んでおくと良いです。バッグの中だと大きなハンカチは場所を取りがちですが、畳んで胸元に挟んでおけば、いつでもサッと取り出せます。
8.クリップ
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結婚式に着物で出席するときに必ず持っておいてほしいもの、それが「クリップ」です!これがあるかどうかで、着物でトイレに行くときのラクさが変わります。
着物でトイレに行く時には、着物の前を一枚ずつ上に持ち上げて、筒を裏返しにしたような状態で用を足すことになります。着物慣れしている人ならばカンタンにできるのですが、ふだん着物を着ない人にとって、これはとてもむずかしいものなのです。
しかし、めくった着物をクリップで固定すれば、トイレもかなりラクに済ませられます。四箇所程度を止めたいので、複数本を持っておきたいところです。
- 紙用の目玉クリップ:使いやすいが幅は取ります
- 紙用のダブルクリップ:しっかり止まりますがアトが残りやすいので長時間は止めないこと
- 紙用のゼムクリップ:いわゆる紙クリップは止める力が弱いのでNGです
- ヘアクリップ:いわゆるダッカールクリップは使えますが、止める力が弱めなので上級者向きです
9.コンパクト+口紅
結婚式の日は式+披露宴+二次会と長丁場になることも多いもの。お化粧が崩れてしまうと困りますが、メイク直しのアイテムはどうしたら良いのでしょうか?
結論から言うと、和装バッグにはあまりモノをたくさん入れられないので「コンパクトタイプのファンデーション(またはプレストパウダー)+口紅」程度の最低限のものに絞ることをおすすめします。
その他のお化粧直しグッズをどうしても持ちたいという場合には、後述するサブバッグ等にポーチを入れておいて、式の最中等にはクロークに預けておくのがベストです。
10.ティッシュペーパー
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ティッシュペーパーは携帯用のティッシュケースに入れておくのが理想的。ケースを使いたく無い場合には、むき出しで持っても問題ないような目立たないパッケージのものを選びましょう。広告付きのティッシュペーパーをお祝いのテーブルの上においたりするのはNGですよ。
水に溶けるタイプはNG
ティッシュペーパーの中には水に溶けるタイプ(トイレでも使えるもの)がありますが、着物を着る時にはこのタイプは避けたほうが無難です。万一、着物に飲み物などをこぼしたときにティッシュで押さえて水分を取ろうとすると、紙の繊維がとけて着物にくっつきます!
元々ティッシュは紙繊維が付きやすいので着物のシミ対策には不向きなのですが、特に「水に溶けるタイプ」は大きなトラブルになりやすいです。十分に気をつけてくださいね。
11.足袋カバーか予備の足袋
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結婚式に着物で出席するとき、持っておくと良いのが「足袋カバー」または「予備の足袋」です。洋装では「予備の靴下」を準備するなんてなかなかありませんから不思議に感じる人も多いかもしれませんが、和装ではとても大事なことなんですよ。
結婚式に着物で出席する時の足元は「草履(ぞうり)」ですよね。靴と違って足袋の全体が外に出ているので、外を少し歩くだけでも足袋が汚れやすいです。特にフォーマルの時には真っ白な足袋を履きますから、汚れがとても目立ちます。
お昼の頃にはキレイだった足袋も、二次会の頃にはあちこちシミや汚れができているかも。このような足袋の汚れ、意外と他人からはクッキリ見えてしまうものなのです。
外を歩く時に足袋カバーを重ねておけば、式などの大事なときには白い足袋の状態をキープできます。または汚れてしまった時用に「予備の足袋」を持っておくのも手。靴下と違ってコンビニ等で予備が買えないので、早めに準備しておくと良いですよ。
12.和装バッグ
結婚式に着物で出席する時には、最低限の荷物は和装用のバッグに入れて持ち歩きます。持ちての付いた口金式ハンドバッグ、クラッチバッグ型等でデザインが合えば、洋装タイプのバッグを使うことも可能です。いずれにしてもお式の場合には、次のようなものを選びましょう。
- 黒あるいは濃色をできるだけ避ける
- 皮革らしさが目立つものを避ける(ワニ皮、ヘビ皮に見えるものなど)
- 普段使いのデザインはNG(トートバッグ、ショルダータイプ等)
高級織物でできた和装バッグ、ビーズ・パール素材等の様々なものがありますが、「着物との格があっていること」がとても大切です。例えば略礼装である訪問着を着るような場合ならば少々遊び心のあるバッグでもOKですが、黒留袖を着る場合であれば本格的な礼装用バッグでないとバッグだけが浮きます。
和装バッグは大きめが便利
これから和装の礼装用バッグを買うご予定がある場合には「大きめタイプ」を選ぶことを強くおすすめします。昔の礼装バッグは本当に小さくて、コンパクトとお札程度しか入れられないことが珍しくありませんでした。
しかし現在ではスマホは常に必要なアイテムと言えますし、お化粧品等をお持ちになりたい方も多いはずです。このような需要を考え「大きめ礼装用バッグ」を制作するメーカーも増えています。
もちろんトートバッグのような大きいものはNGですが、椅子の背のあたりにおけるギリギリの大きさのものを選んだ方が、色々なものを持てて一日を快適に過ごすことができますよ。
13.サブバッグ
いくら礼装用バッグが大きめであっても、すべての荷物をしまうのは難しいところです。色々持っておきたい、という方のために、ぜひ「和装用サブバッグ」を準備しておくことをおすすめします。
【NGのサブバッグ例】
- 紙袋 どんなに高級ブランドでもNG
- ショッピングバッグ ナイロン素材などはすべてNG
- 麻・木綿・ビニール素材 カジュアル素材のためNG
- キャラクター柄、アニマル柄 カジュアルな柄になるためNG
- 黒または黒に見えるバッグ 濃紺なども避けた方が良い
- ファー、皮革のバッグ
【OKのサブバッグ例】
- 正絹のバッグ
- 金襴のバッグ
- 繻子のバッグ など
大きさ的にはA4程度のもので、マチがあるタイプだと収納力があり重宝します。サブバッグは原則としてお式の間はクロークに預けますが、立食のパーティ等だと持ち歩くこともありますし、ひと目に触れることも多いものです。
これから和装バッグ(礼装バッグ)をご購入されるのであれば、サブバッグや草履とセットになったものを選ぶのも良いでしょう。またサブバッグと礼装バッグをレンタルされる方も最近では多いです。
14.雨対策
最後に「雨」への対策について軽く触れておきます。礼装用の着物にとって、雨は大敵です。濡れた部分が縮んでしまったり、水シミや輪ジミになってもとに戻らなくなってしまうこともあります。
そのため本来であれば「移動はすべてタクシーで、一歩も外を歩かない」というのが理想的と言えます。しかし事情があってそうもいかないこともありますね。できるだけ着物を濡らさないためには、次のような対策をしておくと安心です。
- 雨コート
- 雨草履または草履カバー
- タオル
- 予備の足袋を増やす
- 折りたたみ傘(大きめのもの)
悪天候の場合、クロークなどに預けるまではこれらの荷物を持ち歩くことになります。黒色を避けた控えめなトートバッグ(撥水加工のもの)を準備しておくと、万一の時にも安心です。
おわりに
結婚式に着物で出席する場合の持ち物について詳しく解説しましたが、お役に立てたでしょうか?当店『ふじぜん』は、着物クリーニング&リペアの専門店として、皆様の着物に関する様々な疑問やご質問にお答えし、情報提供に努めています。
また着物のクリーニングやお直しについてのご質問は、メールやLINEで無料で受け付けています。プロの着物診断士が詳しくご案内しますので、結婚式に着た着物のトラブルなどでお困りのことがあったら、お気軽にご相談ください!