七五三・ハウツー

七五三の着物、クリーニングのタイミングをプロが教えます

七五三はお子様はもちろん、ご家族の方も着物を着ることが多い行事ですね。でも七五三着物やご家族の着物をクリーニングに出すタイミングがわからず、迷ってしまう人も多いようです。

吉原ひとし
吉原ひとし
こんにちは。創業明治三九年 四代目 ふじぜん 吉原ひとしと申します。着物を専門に取り扱うクリーニング店の店主をさせていただいております。ここでは七五三着物をクリーニングに出すタイミングについて、またクリーニングのお店選びのポイントについて着物のプロが詳しく解説をしていきます。

前撮りで着物を着用した場合のタイミング

最近は七五三当日ではなく、春・夏などに先駆けて七五三の記念撮影をするご家庭も多いですよね。いわゆる「前撮り」です。まずはこの七五三前撮り後における着物クリーニングのタイミングについて考えていきます。

目立つシミ汚れは無い → そのまま七五三へ

着用後には着物の状態をよく確認しましょう。シミや汚れがありませんか?表面だけでなく、袖(そで)の裏、裾(すそ)の裏などもチェックしてくださいね。スタジオ内での短時間の撮影なら比較的汚れはつきにくいですが、お化粧汚れなどが付くことは意外と多いです。また、屋外撮影ありの場合だと、裾に汚れがつきやすいです。チェックをしっかり行なっておきましょう。

特に問題が無いようでしたら、前撮り後のクリーニングは不要です!陰干しをしてよく湿気を飛ばしておき、それから次回の七五三にまで保管しておきましょう。

シミを付けた → 即時で「シミ抜き」!お急ぎが必要な場合も

  • 食べこぼしを付けた
  • ヨダレを付けた
  • 母乳がついた
  • 化粧品汚れがついた

このようなシミ・汚れがあったら、早めに対処しておきましょう。「七五三が終わってからでいいや」と思っていると、シミが落ちにくくなってしまう可能性が高いです。特にヨダレや母乳はカビなどの原因にもなりますから、早めに対処しておきたいところです。

オーダーは部分洗いである「シミ抜き」だけでOK!すぐに七五三での着用が控えていますから、全体洗いをする必要は無いです。(お店によっては部分洗いだけ指定できないことがあるので注意、詳しくは下の「お店の選び方」で解説します)前撮りと七五三の間が短い場合には、その旨をお店に相談しましょう。

「お急ぎ対応」ができるお店もありますので、早めに言っておいた方が良いですよ。七五三直前になると染み抜きやクリーニングは混み合いますので、後回しにしないことが大切です。

汗汚れが気になる → 汗抜きクリーニングが安心

七五三は基本的に秋に行うものですが、前撮りだとゴールデンウィークや真夏に屋外撮影を行うケースも多いようです。短時間なら良いのですが、前撮り+お祝いで暑い時期に長時間着物を着ていると、体温の高いお子様の場合は「着物が汗びっしょりになっていた」というケースも見られます。

  • 汗で着物の色が変わるほど濡れた
  • 手で触ってわかるほどに着物が汗汚れしている

このような激しい汗濡れが気になる場合には、早めに一度「汗抜きクリーニング」をしておいた方が良いかもしれません。汗はミネラルを多く含み、汗染み・輪ジミや変色などの原因となるためです。

七五三後に着用予定がある場合のタイミング

次に、七五三イベントが終わった後の着物クリーニングのタイミングについてです。七五三の後のお正月、ご家族の集まりなどで半年以内に着用予定がある場合から見ていきます。

シミや汚れは無い→次に着用してからでOK!

七五三が終わったら、着物全体の汚れの状態をチェックしてみましょう。

  • 襟元 ファンデーション汚れはついていないか
  • 胸元 食べこぼし、とくに油汚れが飛びやすい
  • 袖口 水シミが飛びやすい、袖の裏には皮脂がつきやすい
  • 背中・膝裏 汗汚れ・汗じみが起こりやすい
  • 裾 泥はね、泥汚れ、雨ジミがつきやすい

上記の点を全てクリアしていたら、クリーニングの必要はありません!陰干しをしてよく湿気を飛ばしたら、次に着用するお正月やイベントまでご自宅で保管しておいてOKです。

シミ・汚れを見つけた → 即時で「シミ抜き」オーダー!

  • 食べこぼしをつけた
  • 泥ハネを付けた
  • 雨シミがついた
  • 母乳やヨダレのシミがついた
  • 飲み物をこぼした など

何か変だな?と思う点が着物や羽織、帯、袴にありましたか?小さくてもシミ・汚れがあったら、その部分だけの汚れを落とす「シミ抜き(部分洗い)」をお店でやってもらいましょう!早めにやれば染み抜き料金も安く済みますし、スッキリきれいな状態でお正月や次の行事を迎えられるので安心ですよ。

次の着用予定があるので、全体洗い(きもの丸洗い)は原則として必要ありません。(お店によっては丸洗いしないと染み抜きができないこともあるので注意、詳しくは下のお店選びの項目で解説します

なお、七五三後(11月以降)はたくさんの七五三着物のクリーニング依頼が来る「繁忙期」でもあります。いつもより染み抜きが出来上がるまでの時間がかかる可能性が高いです。早めにお店に持ち込むことはもちろんですが、「次の着用予定があるので急いでほしい!」という時には、その旨をお店に相談しましょう。

七五三後にしばらく着る予定が無い場合には?

七五三が終わったら、着物を着る予定が無いという場合には、数年単位という長期間の保管となる可能性も高くなります。この場合のクリーニングのタイミングやオーダー内容は、着用予定がある場合とは少々異なります。

シミ・汚れがある → 即時で「シミ抜き+丸洗い+汗抜き」!

洋服と同じで、着物もシミは早く染み抜きした方がキレイになる確率は上がります。時間が経つほど汚れは落ちにくくなりますし、手間もかかるので、染み抜き料金も高くなりやすいです。

ですからシミ汚れがあるという場合には、見つけた時点で七五三着物をクリーニングに出すのがベストと言えます。七五三の着用予定が無い場合には、汚れた部分の「染み抜き(部分洗い)」に加えて、長期保管に備え、全体を洗う「着物丸洗い」と「汗抜き」をしておくのが理想的です。

シミ・汚れは無い→空いているうちに「丸洗い+汗抜き」が理想的

特に目立つ汚れはないが次に着る機会は考えていない、という場合、長期保管中の変色などをできるだけ軽減するために「丸洗い+汗抜き」をしておくと安心です。「汗抜き」というのは、着物についた汗の成分をとるクリーニング方法のことを言います。

丸洗い(ドライクリーニング)だけでは汗の成分は落ち切りません。残った汗の成分(ミネラル)は長期保管中に少しずつ酸素と結びつく「酸化」をしていきます。これが着物に「黄ばみ」を作ったり、着物にオレンジや茶色のシミができる「黄変」の原因にもなるのです。

黄変が一度起こると、一般的な染み抜きでは対処ができません。専門家による漂白や染め直しなどの高度な補正が必要になりますし、復元するための料金も高額になります。そうならないためにも、汗抜きをしてできるだけ長期保管中の変色などを予防しましょう、というわけですね。

なお、次に着用予定が無い場合でも、できればクリーニングに出すタイミングは年内にしておくことをお勧めします。というのも、年が明けると「成人式」があり、たくさんの振袖クリーニングで各店舗はてんてこまいになるからです。少しでも空いているうちにクリーニングに出した方が、早く手元に戻ってきますし安心ですよね。

お得にキレイに!七五三着物を出すクリーニング店の選び方

七五三着物のクリーニングは、出すタイミングもそうですが「お店選び」がかなり重要になります。七五三着物のクリーニング料金のコストを抑えるという意味でも、クリーニングのシステムをよくチェックしておきましょう。

「染み抜きだけ」がオーダーできる?

染み抜き(シミ抜き)とは、汚れがある部分だけに対処する「部分洗い」のことを言います。次に着用予定がある場合などには、とりあえず「部分洗い」だけで対処しておいた方が料金的にもお得ですし、着物のダメージも最小限に抑えることができます。

しかしお店によっては、「染み抜きは丸洗いのオプションサービス」という扱いになっていることがあります。このようなお店だと、とにかく全体洗いをしない限りはシミにも対処してもらえないわけです。前撮り、七五三、と毎回丸洗い(全体洗い)をしていては、お金も余計にかかって不経済と言わざるを得ません。

【シミ抜きだけ依頼できるお店を探そう】
洋服のクリーニング店で、着物の受付もしています…というお店だと、きものメニューは基本的に「丸洗い」となっていることが多いです。染み抜きだけで依頼できるケースは稀です。着物を専門に扱うお店の方が、染み抜きだけの依頼も受け付けているところが多い傾向があります。ちなみに当店『着物ふじぜん』ではシミ抜き・部分洗いだけのご注文も受け付けています。近くに染み抜きできるお店がない、という時にはご相談ください。

「きもの丸洗い」の範囲はどこまで?

きもの丸洗いとはいわゆるドライクリーニングのことを言います。着物全体を石油系の溶剤で機会洗いして、チリやホコリなどを除去するクリーニングのことです。しばらく着る予定が無い着物は、シーズンオフの時などに丸洗いしておくと、長期保管に備えられます。

なお、クリーニングのお店によって「きもの丸洗い」の内容は微妙に違ったりします。激安系のお店だと、大きな専用の洗濯機に入れて溶剤を入れて回して「丸洗い終了!」というところも多いです。きちんとした職人さんのいるお店だと、丸洗いをする前に手で予洗い(下洗い)をしっかり行います。これなら、最近できたばかりの小さなファンデーションシミなどは、染み抜きなしでも丸洗いだけでキレイになるのです。

【質の良い丸洗いができるお店を】
上の通り、きもの丸洗いの品質は店舗によってかなり違います。「きもの丸洗い料金が安い」と飛びついた結果、機械でザッと洗っただけで染み抜きもできないお店だったりして、結局別のお店で染み抜きもやり直すことになった、、、というケースは意外と珍しくありません。
公式サイトなどをよくチェックして、こだわった着物丸洗いをやっているお店を選ぶことをお勧めします。

当店『着物ふじぜん」も、丸洗いには自信があります!『ふじぜん』の着物丸洗いでは、油性(油溶性)の汚れはもちろん、水性(水溶性)の汚れやタンパク質系の汚れも落とせます。経年劣化による変色シミ以外は、ほとんどのシミを「丸洗い」だけでスッキリとキレイにできるので、追加料金もかからずお得です。ぜひ他店と比較してみてくださいね。

七五三着物クリーニングには時間がかかる?

七五三着物のクリーニングのタイミングを考える上で、「クリーニングにかかる時間」については是非知っておいていただきたいところです。洋服のクリーニングとはかかる時間がだいぶ違います!

即日・当日仕上げなどはできない

洋服クリーニングの場合、ワイシャツなどであれば当日・翌日仕上げといったスピード仕上げができるお店もたくさんありますよね。でも着物の場合だと、こういったスピード対応はできません。素材がデリケートですし、何枚も重ねて縫ってある部分も多いので、時間をかけて扱う必要があるのです。

着物のクリーニングの場合、一番シンプルな「きもの丸洗い」の場合でも、通常時で1週間~10日前後は納品までの時間がかかります。

手作業が増えるほど時間がかかる

シミ抜きは職人さんが一箇所ずつを手作業で汚れ落とししていきます。とはいえ、いきなり強い洗剤をかけるわけにもいきません。まずは原因を特定して、それから合う薬剤を選んで、、、というように、できるだけ着物の布地にダメージをかけないよう、少しずつ作業を行なっていきます。いわば美術品の修復作業のようなものですね。

そのため、手作業の工程が増えるほど、染み抜きが出来上がるまでの時間は長くなります。新しいシミであれば納品は1~2週間前後が一般的ですが、「シミが大きい」「色素が多い」といった場合には、出来上がりまでさらに時間がかかることも。また、古いシミだと「漂白」「染め直し」といった作業が必要になってしまうので、何ヶ月も時間が必要になることもあります。

繁忙期には時間がかかりやすい

現在の日本では、皆さんが着物を着る時期が割と限定されています。まずは「成人式」ですね。1月に行う自治体が多いです。「お正月(元旦)に着物をお召しになる人も多いでしょう。そして「七五三」これは大体11月くらいです。この前後には丸洗いや染み抜きのご依頼は集中します。通常時の2~3倍のお時間をいただくケースも珍しくありません。

次の着用機会が迫っている場合などには、できるだけ早くご依頼をされることをお勧めします。また、黙って着物を出すよりも「できたら2月までに間に合わせたい」といったご希望を出してもらえば、相談に乗れるお店も多いはずです。

おわりに

ワイシャツなどですと1回着るごとにクリーニングに出しますが、着物はそういうものではありません。汚れた時に汚れた箇所をケアして、あとは「しばらく着ないな」という時、長期保管の前にお手入れをしておくだけで十分です。とはいえ、「少ししたら着させるつもり」「クリーニングに出すつもり」で後回しにした結果、数年が経過してしまい、着物が変色だらけになってしまった・・・といったケースは意外と多くみられます。「一度クローゼットに保管すると忘れてしまうかも」と不安な場合には、お早めにクリーニングに出してくださいね。

着物ふじぜんでは、七五三着物をクリーニングに出すタイミングのご相談などもお受けしています。わからないことがあったら、お気軽にお問合せください!

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吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし


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