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振袖にシミや汚れを見つけたら?6タイプの応急処置・染み抜き方法

雨の日の成人式

気をつけているつもりでも、振袖等の着物にはついつい汚れを付けてしまうもの。「成人式やお正月の初詣で着た振袖にシミが付いてる!」…こんな時には、どうやって対処をしたら良いのでしょうか?

ここでは振袖に付いたシミや汚れを6タイプ別に分類し、それぞれにピッタリの応急処置や振袖の染み抜き方法・注意点等をご紹介していきます。

あなたの振袖のシミの種類は何?

振袖のシミ・汚れをキレイに取るには、汚れの原因にキチンと合わせた対処をすることが大切です。あなたの振袖の汚れの原因はいったい何でしょうか?一日の行動を思い出して、できるだけ細かく原因を絞り込んでいきましょう。

振袖のシミの種類は6種類

ここでは振袖に付いたシミの種類を、大きく分けて6種類に分類します。

1)水溶性のシミ:油分をほとんど含まず、水に溶けやすいシミです。
2)油溶性のシミ:油分が多く水分は少なめ。油には溶けやすい特徴を持っています。
3)タンパク系のシミ:動物性蛋白質を含むシミです。熱で固まる特徴を持ちます。
4)不溶性のシミ:油にも水にも溶けない性質を持ちます。
5)ドロ汚れ・泥ハネ:分類としては不溶性ですが、対処法が少々異なります。
6)その他の汚れ:カビのシミ等、上記に含まれないシミ・汚れです。

飲み物のシミの汚れの種類は?

ジュースや紅茶・焼酎等、飲み物・アルコール系のシミの種類は多くが水に溶けやすい「水溶性」です。ただし以下のような場合には、シミの種類が変わります。

・牛乳:動物性タンパク質が豊富であるため、タンパク系汚れの対処をします。
・ミルクティー、カフェラテ等:牛乳を含むため、タンパク系のシミの対処をします。
・ヨーグルト系の飲み物:タンパク系のシミの対処となります。

食べ物のシミの汚れの種類は?

振袖に付いた食べ物のシミ、食べこぼしのシミは、食材の種類によっても汚れの種類が変わります。

・醤油のシミ:油分をほとんど含まない「水溶性」のシミです。
・ドレッシングのシミ:「油溶性」のシミの対処をします。
・マヨネーズ等の「卵」を含むシミ:「タンパク系」のシミの処理をします。
・肉汁を含むステーキソース等:「タンパク系」のシミの処理をします。

メイクのシミの汚れの種類は?

メーキャップアイテムの種類によって、「油溶性」もしくは「不溶性」の汚れに分類されます。

・ファンデーションの汚れ:基本的には「油溶性」の汚れです。
・口紅・グロスのシミ:「油溶性」のシミ・汚れの対処をします。
・アイライナー、マスカラの汚れ:「不溶性」の汚れに分類されます。
・基礎化粧品による汚れ:「油溶性の汚れ」に分類されます。

ボールペン・マジックペン・墨の汚れの種類は?

振袖に付いたボールペン等のインク系の汚れは、インクの種類によっても対応方法が異なります。

・油性ボールペン・油性マジックペンの汚れ→原則として「油溶性」の汚れなので、油溶性のシミ抜きで対処ができる場合があります。
・水性ボールペンの汚れ→「不溶性」の汚れである可能性が高いです。
・ゲルインクボールペンの汚れ→「不溶性」の汚れです。
・墨・墨汁のシミ→「不溶性」の汚れに分類されます。

※油性ボールペンでも、「にじまない」「裏写りをしない」といった特殊インクの場合には、「不溶性の汚れ」である場合があります。

雨による汚れ・シミ・ハネの種類は?

豪雨や雪といった悪天候による振袖の汚れは、振袖の症状によって以下のように分類します。

・振袖の裾(すそ)等に付いている泥ハネ:泥による茶色~黒っぽいシミが点々とついている場合には「泥汚れ・泥ハネ」の対処をします。
・雨濡れによる振袖の変色・色にじみ等:大量に水に濡れたことによって起きた「輪ジミ」「水ジミ」等は、「その他の汚れ」に分類されます。

 

1.水溶性シミのシミ抜き方法・応急処置法

水溶性のシミは、「お湯や水に溶けやすい」という性質を持っています。そのため早い段階で対処をすれば、シンプルな方法でも比較的汚れを落としやすいです。しかし時間が経過したり、色素が多いシミだと、処置の難易度が上がります。

【水溶性汚れのシミ抜きで必要なもの】
・ガーゼか綿棒:シミの大きさで使い分けます。薄手のタオルで代用してもOKです。
・タオル2~2枚:薄い色のもの、汚れても良いもの
・洗濯用液体洗剤:中性タイプのもの。酵素入り・アルカリ性・蛍光剤煎り等の洗剤はNGです。
・洗面器もしくはバケツ
・和装専用ハンガー

※必ずシミ抜きの注意点まで読んでから作業を開始してください。

【水溶性汚れのシミ抜きの方法】
1)タオルを下に敷き、振袖を汚れがある面を上にして広げます。
2)洗面器にぬるま湯(38℃程度)を入れて、ガーゼを浸して固く絞ります。
3)濡らして絞ったガーゼを使って、シミがある部分をトントンと軽く叩きます。
4)ガーゼは常にキレイな面が当たるように動かしていきます。
5)お湯だけでは汚れが落ちない場合、洗面器に少量の中性洗剤を垂らしてよく混ぜ、再度ガーゼを漬けてから固く絞ります。
6)中性洗剤の溶液に浸したガーゼで、再度3)~4)と同じようにシミの部分を軽く叩きます。
7)シミが目立たなくなったら、水洗いができる素材(化繊等)の場合には、中性洗剤を使って全体を水洗いして仕上げます。
8)正絹(シルク)等の水洗いができない素材の場合には、再度ぬるま湯に別のガーゼを浸して絞ってよく叩き、洗剤の成分を取り除きます。
9)最後に乾いたタオルで濡らした部分を軽くポンポンと叩いて、できるだけ水分を残さないようにします。
10)和装専用ハンガーに振袖をかけて形を整え、乾かします。

【シミ抜きの注意点】
※刺繍(ししゅう)・金箔・銀箔・レース等、特殊加工がある着物にはこの方法は使えません。
※染色方法によっては、中性洗剤の使用で変色が起きることがあります。必ず裏面等の目立たない場所に少量の溶液を付け、変色が起きないか事前にテストをしましょう。
※正絹(シルク)やウールは、大量の水を吸うと生地が縮みます。水で縮んだ生地をそのまま干すと、縮みが元に戻りません。「濡らしすぎ」にならないように注意しましょう。
※赤ワイン・ぶどうジュース等の色素が多いシミの場合、自宅でのシミ抜きでは色素が取り切れない可能性が高いです。色素が取り切れない場合には無理にシミ抜き処理を続けず、クリーニング店に相談しましょう。
※砂糖入りのコーヒーや紅茶・糖類の多い日本酒・栄養ドリンク等のシミの場合、水洗い無しの応急処置だけでは糖類の成分が取り除けません。その後の保管中に変色・カビの発生が起きる可能性が高いです。できるだけ早く専門店に「シミ抜き」を依頼することをおすすめします。

 

2.振袖についた油溶性シミのシミ抜き方法

ファンデーションやドレッシング等の「油溶性」のシミは、「水に溶けず、油に溶ける」という特質を持っています。そのため水溶性シミのように、水やぬるま湯を使う方法では汚れを落とせません。

油溶性の汚れのシミ抜きでは、油汚れを溶かし出すために「ベンジン(揮発油)」という溶剤を使います。ベンジンはドラッグストアや薬局等でも購入可能。製品によって価格は異なりますが、500mlで大体1,000円前後です。

【油溶性汚れのシミ抜きで必要なもの】
・ベンジン:クリーニング用のもの。カイロ用・工業用等はNGです。
・ガーゼ、綿棒、布等:シミの大きさに合わせて使い分けます。多めに用意しましょう。
・タオル3~4枚:汚れても良いもので、白色もしくは色の薄いものを使います。
・スプレーボトル、霧吹き:化粧品向けのような霧が細かく出るものが理想的です。
・使い捨て手袋:皮膚刺激を避けるために作業中に使用します。
・使い捨てマスク:吸引を防ぐために作業中には着用します。
・メガネまたはゴーグル:眼球への刺激を避けるために使用します。
・和装専用ハンガー:屋外で着物を干せる場合には、物干しを代わりに使ってもOKです。
・液体型洗剤:中性タイプのもの。水洗いができる着物の場合に使います。

※必ずシミ抜きの注意点まで読んでから作業を始めましょう。

【油溶性汚れのシミ抜きの方法】
1)下にタオルを敷き、振袖を汚れがある面を上にして広げます。
2)ガーゼもしくは綿棒をベンジンに浸します。
3)ベンジンを付けたガーゼで、シミの部分をトントンと軽く叩いていきます。
4)シミ汚れが溶けてガーゼやタオルに移るので、ガーゼの接触面を動かしながら繰り返し叩いていきます。
5)汚れが取れたら、別のガーゼに再度ベンジンを浸し、今までのベンジンで濡れた部分の輪郭(輪のようになっている部分)をぼかすように叩きます。
6)ポリエステル等の水洗いができる振袖の場合には、中性洗剤で全体を手洗いし、ベンジンの成分を落とします。
7)正絹等の水洗いができない着物の場合には、スプレーボトルもしくは霧吹きに水道水を入れて、5)でできた輪郭の周辺部に水をスプレーします。
8)きれいなタオルで7)で濡らした輪郭をトントンと軽く叩きながら、水分を吸い取ります。
9)和装専用のハンガーに振袖をかけて形を整え、よく乾かします。

【シミ抜きの注意点】
※ベンジンを使用すると、染色・素材によっては変色が起きることがあります。必ず事前に目立たない場所に付けてテストを行ってください。
※ベンジンを含ませた布で振袖を強くこすると、色が落ちます。絶対に振袖・着物を強くこすらないようにしましょう。
※ベンジンで濡れたことでできた輪郭(輪)をぼかさずに乾かすと、「輪ジミ」が残ってしまいます。輪の部分をていねいにボカすようにしましょう。
※刺繍(ししゅう)、金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)、レース)、縮緬(ちりめん)等の特殊加工がある箇所には、ベンジンでのシミ抜きはできません。
※ベンジンには強い引火性があります。作業中にはストーブ等の暖房器具、コンロ等の調理器具、ライター等の火器類を一切使わないでください。火災の原因となります。
※ベンジンの成分は空気中に飛びやすいため、使用中は必ず窓を開けるか換気をしましょう。また小さなお子様や高齢者・病気の方やペットが居る部屋でのベンジン使用は避けましょう。

 

3.振袖についた血液シミ・タンパク汚れの応急処置

生理等の経血のシミ・ケガによる血液のシミ等には、多くの動物性タンパク質が含まれています。また牛乳や乳製品・肉汁等も動物性タンパク質の多いシミです。これらのタンパク質系のシミでは、汚れを熱で固めないことと、シミ抜きまでのスピードが重要になります。

血液汚れ・生理のシミの応急処置

血液のシミは、様々なシミの中でも特に固まるのが早いシミです。「血の汚れが付いた!」と気づいたら、早めに応急処置をしておきます。

【血液汚れの応急処置に必要なもの】
・タオルもしくはハンカチ:2~3枚

【応急処置の方法】
1)タオルやハンカチが複数枚ある場合には、シミがある部分の裏にタオルをあてておきます。
2)別のタオルもしくはハンカチを水道水で濡らし、しっかり絞ります。(絶対にお湯を使わないでください)
3)血のシミができた部分をタオルでトントンと叩きます。
4)タオルに血の汚れが移ったら、常にキレイな部分が振袖に接するようにタオルを動かしていきます。
5)赤い汚れが取れたら、別の乾いたタオルでシミの部分を軽く叩いて、水分を取ります。

【応急処置の注意点】
※刺繍(ししゅう)・金箔(きんぱく)・銀箔(ぎんぱく)・レース等の特殊加工がある部分には、応急処置をしないでください。生地の変色や収縮を起こしてしまうことがあります。
※応急処置で対処ができるのは、付いてから時間が経っていないシミです。付着してから2~3時間以上の時間が経過していたり、体によく触れる部分のシミの場合、血液のタンパク質がすでに凝固しており、応急処置では汚れが取り切れないことがあります。この場合には無理に処置をせず、すぐに専門店に持ち込みましょう。

 

その他のタンパク質汚れの応急処置

肉汁や牛乳・卵等が含まれる食べ物シミ・飲み物シミの場合、汚れの中に油溶性の部分と水溶性の部分があるため、両方の汚れを少しずつ分解していく方法を取ります。

【タンパク質汚れの応急処置】
1)項目2.でご紹介した「油溶性シミのシミ抜き方法」をシミに対して行います。牛乳の乳脂肪分・肉汁の脂肪分等、油分の成分を分解します。
2)項目1.でご紹介した「水溶性シミのシミ抜き方法」を行います。ただしこの際には、ぬるま湯ではなく作業にはすべて「水」を使用します。

水洗いNGの振袖はすぐにクリーニング店へ!

ポリエスエル製等の水洗いができる着物の場合、応急処置後に中性洗剤で全体を水洗い(手洗い)すれば、タンパク質の汚れを残さずにスッキリと落とすことができます。

しかし振袖が正絹(シルク)等の水洗いできない製品の場合には、応急処置だけでは繊維の奥のタンパク質成分を取り切ることができません。タンパク質汚れは特に「カビ菌」等が繁殖したり変色をしやすく、その後の保管中に「取れないシミ」となる可能性が高いのです。

洗えない素材の振袖の場合には着物専門のクリーニング店に依頼し、汚れの原因を良い添えた上で「染み抜き」をしてもらうようにしましょう。

 

4.振袖についた泥汚れ・泥ハネの応急処置

振袖に付いた茶色~黒の点々とした泥ハネ。この汚れの元となっているのは、道路に舞っている「砂粒(すなつぶ)」です。砂は岩石等が砕けて細かくなったもので、水に溶けることもなければ、油でも溶かし出すことができません。そのため泥ハネ・ドロ汚れのシミ対策では、「汚れを溶かす」ではなく、「汚れの元である砂を物理的に掃き出す」という方法を取ります。

【ドロ汚れ・泥ハネの応急処置に必要なもの】
・歯ブラシ:毛が柔らかいものであることが重要。使い古しではなく、新しいものの方が汚れを取りやすいです。
・和装専用ハンガー:着物を干す際に使用します。屋外に干す場所がある場合には、代わりに物干しを使ってもOKです。

※必ず注意点まで読んでから、応急処置の作業を始めましょう。

【泥汚れ・泥ハネの汚れを取る方法】
1)付いた直後のドロ汚れ・泥ハネは濡れているため、応急処置してはいけません。振袖を和装専用ハンガーにかけて直射日光の当たらない場所に干し、泥ハネ部分をしっかりと乾燥させます。
2)砂がこぼれてくるほどシミが乾燥したら、歯ブラシを軽く生地にあて、一方向に向かって優しく動かします。
3)ポリエステル素材等の水洗い可能な素材の場合には、洗面器等に水を張ってシミ部分だけを沈めます。浮いてきた砂を静かにブラシで払い、さらに砂を取り除いていきます。
4)水洗い可能な素材の場合には、最後に液体型洗剤(中性タイプ)を使って全体を手洗いし、仕上げます。水洗い不可の場合には、ブラシのみで仕上げます。

【作業の注意点】
※ブラシを往復させるように動かしたり、強くブラシで着物の生地をこするのは絶対にNGです。振袖の生地が毛羽立ってしまったり、色がハゲる原因になります。摩擦によって起きた毛羽立ち・色ハゲは、専門店でもなかなか元には戻せません。
・刺繍(ししゅう)・金箔(きんぱく)・銀箔(ぎんぱく)・レース等、特殊加工がある場所には歯ブラシを使わないでください。加工が剥げたり、刺繍が傷む原因となります。
・振袖の生地の織り方によっては、繊維の奥に砂が入り込んでいることがあります。この場合には無理に歯ブラシで取り出さず、専門店を頼りましょう。
・直径3センチ~5センチを超えるような大きな泥ハネ・泥汚れは、自宅で砂を取り去ることが難しいです。この場合には無理にシミ抜き作業をせず、クリーニング専門店に相談をしましょう。

 

5.振袖についた不溶性シミの応急処置

上記の4.でご紹介した「泥汚れ」も不溶性シミの一種ですが、この他にも水・油に溶けない「不溶性のシミ」はあります。例えばマスカラやリキッドアイライナー、ゲルインクボールペンの汚れ等です。また自転車やガードレールの「サビ」によるシミ・汚れも、不溶性のシミに含まれます。

自宅では対処できない「不溶性の汚れ」

残念ながら、ドロ汚れ以外の不溶性の汚れは自宅ではシミ抜きの対処ができません。マスカラやゲルインクボールペン等に含まれている「色素」の元となってるのは「顔料(がんりょう)」と呼ばれる着色のための物質で、カーボンや酸化鉄、パール等の鉱物・金属類が元となっています。

これらはいずれも水にも油にも一切溶けることがありません。さらにボールペン・マスカラ等は塗った直後からすぐに肌や紙に張り付くように、強い接着力が持たせられています。そのため小さな泥ハネ・ドロ汚れのように、「乾かしてはたけば砂が取れる」といったシンプルな汚れ落としができないのです。

不溶性の汚れについては、できるだけ早く着物専門のクリーニング店に持ち込むことをおすすめします。

シミ抜き依頼の際には「原因」を言い添えて!

ドライクリーニングの一種である「着物丸洗い」では、不溶性シミの汚れを落とすことができません。不溶性シミの汚れを落としをクリーニング店に依頼をする場合には、必ずオプションサービスである「染み抜き」を依頼するようにしましょう。

また染み抜き依頼の際には、何が原因で汚れが付いたかを言い添えるのが理想的。外出先でシミを付けてしまった場合には、使用したボールペンが油性か水性か、どんな化粧品を使っていたか等をメモをしておくことをおすすめします。

 

6.カビや輪ジミ…その他の振袖汚れの対処法は?

振袖のシミ・汚れには、この他に以下のようなものもあります。

カビによるシミ・変色

湿気の多い日本では、長期保管のうちに着物にカビが生えてしまうことが多々あります。カビ菌の種類や発生量によっても、シミや変色の状態は変わってきます。

【カビによる症状の例】
・黒・青・緑色のポツポツとした斑点ができている:黒カビもしくは青カビが発生している状態です。
・白いフワフワしたものが付いている:白カビが発生している状態です。
・オレンジ色~茶色っぽいポツポツとした斑点ができている:カビが生えた部分が変色(黄変)した状態です。

上記のようなカビの症状には、着物クリーニングを専門に行う店舗で「カビ取り」を依頼しましょう。カビ菌は一度発生してしまうと、自宅では完全に取り去ることができません。放置しておくと振袖の地色・柄を変色させる恐れがあるため、早めに対策をすることをおすすめします。

輪ジミ・水シミ

特に正絹(シルク)で作られている振袖に起こりやすいのが「水シミ」や「輪ジミ」です。輪ジミとはその名のとおり、輪のように変色が起こっている状態のこと。範囲が広い場合には、輪の部分が大きく「線」のように見えることもあります。

【水シミ・輪ジミの原因の例】
・水滴によるシミ:正絹等の生地が水分によって収縮し、光の屈折率が変わることで「変色」が起きているように見えています。
・水濡れによる輪ジミ:大量に水濡れしたことによって振袖にかかっていた糊等が動いてしまい、色が偏ったように見えてしまうことがあります。
・ベンジンによる輪ジミ:油溶性汚れを分解するための「ベンジン」の使用に失敗し、汚れが輪の状態に広がったままで乾いてしまった状態です。

上記のような水シミ・輪ジミをキレイにするには、生地の収縮や溶剤の使用等の専門知識と技術が必要です。輪ジミをカバーしようとご家庭で無理に対処をすると、輪ジミ・水シミの症状がますます広がってしまいます。「水のシミがある」「輪ジミがある」と言い添えて、専門店に相談をしてみましょう。

 

振袖がダメになる?シミ抜き前の3つの注意点

上記でご紹介したように、振袖についたシミや汚れは、種類に合わせた適切な対処である程度キレイにできます。ただし、以下のようなシミについては自宅でのシミ抜きはNG!無理に自宅で振袖をしみ抜きをすると、生地を傷めてしまう可能性の方が高くなってしまいます。

1.原因不明の振袖のシミは自己処理禁止!

何でつけたかわからないけれど、シミがある…」「たぶん食事のシミだと思うけど、何を食べたか覚えてないし…」このような時には、無理にシミ抜きをしない方が良いです。水溶性・油溶性・不溶性といったシミの汚れの種類・原因に合っていないシミ抜きを行ったせいで、シミが「なかなか取れないシミ」になってしまうこともあります。

2.付いてから時間が経った古いシミもNG

振袖等の着物に付いたシミは、付いてから時間が経てば経つほど色素と繊維が強く密着し、汚れが落ちにくくなっていきます。

上でご紹介した「応急処置」で汚れ落としの効果が期待できるのは、シミが付いた当日もしくは翌日程度と考えておいた方が良いでしょう。

【シミの種類と時間の経過例】
水溶性シミ:シミが完全に乾くと取れにくくなります。特にコーヒー・紅茶・醤油・赤ワイン等の色素の多いシミは繊維への定着が強く、自宅でのシミ抜きが難しくなります。
タンパク質系のシミ:汚れが固まるのが非常に早いです。腰回り等の体に接触している部分にシミがある場合、体熱が伝わって余計に早く固まるため、数時間で「取れにくいシミ」となることも。
油溶性シミ:ベンジンを使用すれば、数日程度の汚れであれば溶解することができます。ただし「いつ付いたかわからないシミ」といった非常に古いシミ、すでに変色をしているシミ等はベンジンでは元に戻すことができません。

3.大きなシミはクリーニング店へ

大きなシミになるほど、色素汚れを取るために振袖に水分を多く含ませたり、ベンジン等の溶剤を多量に使わなくてはなりません。「汚れが落ちないから」と水や溶剤を使いすぎた結果、輪ジミになったり、生地が毛羽立ってしまうというケースが多く見られます。

カンタンに言うと、「大きなシミほどシミ抜きに失敗をしやすい」ということ。大まかな目安として、直径が3センチ~5センチ以上あるシミは自宅で処理をしないことをおすすめします。

 

おわりに

振袖に付いた汚れ・シミの種類ごとの応急処置・シミ抜き方法はいかがだったでしょうか?自宅で振袖のシミ抜きをする場合でも、着物クリーニングの専門店に依頼をする場合でも同じなのは「染み抜きの対処は一日でも早い方が良い」ということです。

「小さなシミだし、これくらいなら…」と放置をするとと、その部分にカビが生えて、地色や柄の部分が変色することも。このようになると専門店の「シミ抜き」だけでは元に戻せず、職人さんに着物の「染め直し」をしてもらう必要が出てくることもあります。振袖のシミ抜き対処を後に伸ばせば伸ばすほど、振袖を元の状態に戻すために、たくさんのお金と手間がかかってしまうのです。「ちょっと汚れがあるな」と気になったら、早めに適切な対処をしましょう!

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プロフィール

吉原ひとし


着物ケア診断士 吉原ひとし

着物の染み抜きやお直しをする場合、加工内容や料金は検討がつかないと思います。お近くに専門店があれば安心ですがシミや汚れを見てもらったが、無理だと言われ諦めてしまう方が多いのです。遠方にお住まいの方はお電話又はメールでご相談いただければ、無料にてアドバイスさせていただきます。クリーニングやお直し以外でも着物の事ならお気軽にご連絡ください。

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