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着た後が大切!七五三着物のアフターケアと保管方法

004.七五三(アフターケア・保管方法)

子どもたちの成長を祝う大切なイベントである「七五三」。お子様の振袖や羽織袴等の晴れ着姿は、ご両親にとっても特別な思い出となるものですね。でもお着物に慣れていない方の場合、七五三の後の「着物のお手入れ」や「保管方法」について悩んでしまう方も多いようです。大切な思い出のお着物ですから、キチンとお手入れをしてしまっておきましょう!ここでは七五三のお着物を着用された後のアフターケア方法や、保管について解説をしていきます。

肩上げ・腰上げは必ず解きましょう

まず最初にやっておきたいのが、「肩上げ・腰上げ」等の縫い上げを解く工程です。七五三等の子供の着物は、お子さんの体に合わせてサイズ調整を行うための「肩上げ」や「腰上げ」が施されています。昔の着物をお使いになる場合にはご自宅で縫い上げを行いますが、呉服店等で購入をされた場合には「肩上げ・腰上げ」が施された状態でお手元に届くのが一般的です。

すぐにお着物を着用される予定があるのならば、着用後に肩上げ・腰上げを解く必要はありません。しかし着用後に長期的に保存をされる場合には、縫い上げた部分は解いて保管をすることが大切です。お着物は洋服とは異なり、細かなサイズ調整をしながら長く着ることができるもの。例えば本裁四ツ身の着物等の場合、12才頃までは縫い上げ調整でお正月等の晴れ着として使うこともできます。しかし肩上げ・腰上げをしたままで保管をしてしまうと、その部分には強度のクセが付いてしまいます。シワやクセ等が目立つため、そのままでは「再度の使用」が難しくなってしまうこともあるのです。

また「今後使う予定は無い」という場合でも、肩上げ・腰上げは解いておいた方が良いでしょう。縫い合わせた部分には湿気等がこもりやすく、変色やカビの温床ともなります。美しい状態で保管をするためにも、早めに肩上げ・腰上げを解いてアフターケアを行ってください。

 

陰干しをしましょう

一日着た着物をすぐに畳んでしまうのはNGです。一回着用した着物や長襦袢は、汗などの水分をたっぷりと含んだ状態になっています。水分や皮脂は、カビ菌等の大好物。汗を含んだまま着物をしまえば、次に出した時にはカビだらけで色も変わってしまっていた…ということになりかねません。しっかりと「陰干し」をして、含んだ水分を取り去りましょう。

七五三着物の陰干し
1)和装ハンガー等に着物をかけ、形を整えます。
2)室内の風通しが良く、直射日光が入らない場所に置きます。
3)半日~1日以上陰干しをしておきます。

※風通しが良い場所が見つからない場合、また天候の都合で湿気が多いという時には、エアコンを除湿状態にしてかけておくのも手です。

なお「陰干し」という名前の通り、室内でも着物は「直射日光が挿さない場所」に置くことが大切。日光に直接あててしまうと、1日も絶たないうちに変色・褪色(色あせ)が起きてしまう場合もありますから注意しましょう。

 

汚れのチェックをしましょう

陰干しをしている間に、着物についた汚れが無いかをよく確認します。

特に汚れやすいポイント
1)襟元(えりもと)・胸の周辺:食べ物や飲み物等のハネが無いかをよく見ましょう。
2)袖口(そでぐち):表側だけでなく、裏側にも汚れが付きやすい箇所です。生地裏側もよく確認しましょう。
3)裾(すそ):泥汚れが付きやすい箇所です。

汚れを見つけた場合の対処法

以下のような場合には、ご自宅でシミ・汚れへの対処ができます。
・シミの原因がハッキリしている
・シミの範囲が1センチ以下で小さい
・色素が弱い(色味が目立たない)
・刺繍部分・箔付け部分ではない<

水溶性の汚れの場合(ジュース類等)の対処法

1)ティッシュか乾いた柔らかい布で優しく抑えて、水分を吸い取ります。
2)シミ部分の裏側にタオルをあてておきます。
3)食器用中性洗剤を薄め、ガーゼ(布)もしくは綿棒に染み込ませます。
4)ガーゼもしくは綿棒で、シミの部分をごく軽く叩いていきます。ゴシゴシとこすったり、強く叩くのはNGです。
5)別の布かガーゼにぬるま湯を染み込ませ、再度シミ部分を軽く叩きます。シミ周辺をぼかすように叩き、輪染みになるのを防ぎましょう。
6)乾いた布かガーゼでトントンと軽く叩き、水分を吸い取ります。
7)1日以上陰干しを行い、水分を飛ばします。

油溶性の汚れの場合(マヨネーズ類等の食べこぼし)

1)シミがある部分の裏にタオルをあてておきます。
2)ガーゼもしくは綿棒にベンジンを染み込ませ、シミ部分を軽く叩きながら汚れを溶かします。この時、
シミ周辺部とシミの無い部分をぼかすように叩くと輪染みを防げます。
3)きれいなガーゼか布でシミ部分を軽く叩き、汚れをガーゼに移し取ります。
4)霧吹きでシミ部分に水をかけます。特にシミの周辺部分をよくぼかすようにし、輪染みを防ぎましょう。
7)1日以上陰干しを行い、水分を飛ばします。

しみ抜きをする前にご注意下さい
染色によっては変色や色落ちが起きる可能性があります。必ず裏面等の目立たない箇所でテストを行い、色ち・変色が起きないかを確認しましょう。
ベンジンは揮発性であるため、必ず風通しの良い換気の良い場所で作業を行ってください。
ベンジンは可燃性です。作業中にはライター・ガスコンロ・ストーブ等の火器類の使用は避けましょう。

専門店に依頼をした方が良い場合

以下の様な場合には、無理にご自宅で汚れ取りの作業をなさらず、和装クリーニングの専門店にご依頼いただくことをおすすめします。
・シミの原因がよくわからない
・ハネ・シミが何箇所にもある、広範囲に飛んでいる
・刺繍の部分にシミがある
・金箔・銀箔部分にシミがある
・ブドウジュース等、色素が強いシミができている
・シミが2センチ以上の大きさになっている
・テストをしたら変色・色移りがあった

汚れの原因に合わせた適切な対処を行わないと、シミが取れないばかりか着物の生地自体をダメにしてしまう恐れがあります。「うまくできるか不安」と思ったら、お早めに専門店に相談をされた方が無難です。

 

長襦袢を洗いましょう

長襦袢の素材が「ポリエステル」の場合、ご自宅の洗濯機で洗濯をすることが可能です。

長襦袢の洗い方
1)長襦袢の「半襟(半衿・はんえり)」を取ります。
2)長襦袢を畳み、洗濯ネットに入れます。(丸めた形ではなく、できるだけ畳んだ形が維持できる大きめのネットをご使用ください)
3)洗濯機の「手洗いコース」「ソフト洗いコース」等、優しい洗い方のコースを選択します。
4)洗剤には「中性」の液体洗剤(おしゃれ着洗い用の洗濯洗剤等)を使用します。
5)「すすぎ」で柔軟剤を入れます。
6)脱水はシワにならない程度に、ごく軽く行います。
7)アイロンを低温に温めます。
8)濡れた状態の長襦袢を広げ、引っ張るように意識しながらアイロンをかけていきます。初めての場合、完全に乾かさずに「半乾き程度」に仕上げた方が失敗しにくいです。
9)和装ハンガーに長襦袢をかけ、形を整えて陰干しにします。

※アイロンは必ず洗った直後にかけるようにしましょう。そのまま干してしまうと縮みが戻らず、着物との寸法が合わなくなる恐れがあります。
※長襦袢の素材が絹(正絹)やシボのある素材の場合にはポリエステルよりも縮みが激しいです。アイロンがけ等にもコツが居るため、「初めて長襦袢のお洗濯をする」という方にはご自宅での洗濯はおすすめできません。

なお専門店にクリーニングの依頼をする場合には、半襟は外さずにそのまま出せます。半襟の外し方がよくわからなかったり、アイロンがけに不安があるという場合には、専門店に依頼をした方が良いでしょう。

 

湿気の少ない場所で保管をしましょう

アフターケアをした後には、着物や帯はタトウ紙に包み、着物専用の防湿剤や防虫剤を入れて保管します。

保管場所は和箪笥が理想的ですが、押入れ・クローゼット等に保管をしたい場合には着物専用の「保存袋」を使用しましょう。和箪笥のように何枚も積み上げての収納はできませんが、近年ではカビ・虫害等から守るタイプの保存袋も登場しており、箪笥なしでも長期保存ができるようになっています。なお和箪笥の場合でも保存袋の場合でも、着物を置く場所は必ず「風通しの良く、換気しやすい場所」にすることが大切です。

小物類の保管にも注意しましょう!

草履や髪飾り等の小物類も、着物と同様に絹等の自然素材が多く使われています。汚れをそのままに放置しておいたり、湿気の多い場所に保管をすると、カビが生えたり変色をしてしまう場合もあるのです。お着物だけでなく小物類も防湿剤・防虫剤を入れた保管箱に入れて、湿気の少ない場所で保管するようにしましょう。

 

おわりに

お着物は洋服類と違い、大切にケアをし保管をすれば、何十年も着ることができるものです。現在ではお父様やお母様が幼少期にお召しになった七五三のお着物を大切に保管し、お子様がそれを着るというスタイルも人気となっています。思い出となる大切な着物をいつまでも美しい状態に留めておくためにも、「着た直後」のアフターケアと保管に気を配ってみてください。

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